研究概要 |
本研究では鉄およびシリコン粉末を十分に混合した圧粉成型体を各種雰囲気で加熱することにより、燃焼合成反応(Fe+2Si=β-FeSi_2)を試みた。 この固相発熱反応(ΔH=-81.2kJ/mole)により、反応熱を高密度に利用して熱電素子原料β-FeSi_2を安価に製造する省エネプロセスの可能性を検討した。 実験では真空、アルゴンおよび水素雰囲気において試料を均一加熱後、生成物を分析した。特に粒子間の接触面積の増大,十分な分散性,酸化防止等に留意し試料を準備した。また反応速度や反応熱の測定は高感度走査型示差熱計(DSC)、反応形態は高温顕微鏡や高温ステージ付き走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し研究を行った。その結果、目的生成物の合成に成功したことを確認したものの、他の生成物(Fe_3Si_5、FeSi)も混在すること、純度の向上のためには助燃剤の効果をさらに調査する必要性があることなど、有益な知見が得られた。
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