研究課題/領域番号 |
10875150
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東谷 公 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10039133)
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研究分担者 |
宮原 稔 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60200200)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 表面 / 相互作用力 / ドメイン構造 / 吸着 / 相分離 / 付着力 / 混合溶媒 |
研究概要 |
本年度は、種々の条件下での界面活性剤分子の吸着構造形成過程を原子間力顕微鏡(AFM)によりin-situ観測し、生成する構造と諸物性との因果を推定するとともに、簡潔なモデルの一つとして二価アルコール(ジオール)水溶液中を想定した分子シミュレーションによる検討を行った。その結果、以下のことが明らかになった。 疎水基構造の異なる種々の陽イオン界面活性剤の雲母表面における吸着状態能像及び表面間相互作用力をAFMによりin-situ測定した。低濃度領域では、アルキル鎖が長いとドメイン構造を形成し、短いと表面に均一に吸着する傾向が強くなる。また、高濃度時、吸着第2層の形成はアルキル鎖が短い場合は第1層形成の完了後に始まった。これらの違いは、活性剤分子のアルキル鎖間に働く疎水性引力の違いであると考えられた。 粗視化モデルを用いた分子動力学シミュレーションにより、二価アルコール(ジオール)の水溶液中でのコロイド粒子の表面間力と界面構造について検討した。その結果、(1)バルク中ではジオール-水の混合液体は単相として安定に存在するが、表面間距離がジオール分子の長さ以下になると表面間制限空間内でジオール・水の液液相分離が起こる、(2)それと同時に表面間には水の液架橋による引力が働く、ことなどを見出した。この挙動は一価アルコールの場合(昨年度の成果)と定性的に一致したが、液架橋による引力の大きさは一価アルコールの場合の約1/2であった。これは、ジオール分子内の2つ親水基によって液架橋の界面が乱されるためである。
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