研究課題/領域番号 |
10875187
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木瀬 秀夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (20013170)
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研究分担者 |
小林 正美 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (70234846)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フェニレンジアミン / 酸化重合 / 酵素 / ペルオキシダーゼ / 逆ミセル / 磁気的性質 |
研究概要 |
窒素などのヘテロ原子で連結された芳香族環を有するポリマーは、その酸化によって不対電子が生成し、その分子内配置がOvchinnikov則を満たすとき磁性の発現が期待される。このような新規の有機磁性材料の合成を目的として、西洋わさび由来のペルオキシダーゼを触媒として、過酸化水素を酸化剤に用いてフェニレンジアミン類の酸化重合を水/1,4-ジオキサンの混合溶媒系で行った。各種の反応条件の効果を検討した結果、ポリマー収率は溶媒組成に強く依存し、ジオキサン濃度が15-30%で80%以上の収率を得た。円二色性スペクトルの測定から、溶媒組成による収率の変化は、主に高次構造の変化による酵素活性の変化に起因すると考えられる。 重合中または重合後に反応溶液をステンレススチールと接触させると、微量の鉄およびニッケルがポリマー中に包含された。これらのポリマーについて超伝導量子干渉計(SQUID)による磁気測定を行った。m-フェニレンジアミンからのポリマーの磁化―磁場曲線は300-800KでS字型となるが残留磁化および保磁力を示さず、軟強磁性的挙動を示した。o-およびp-フェニレンジアミンからのポリマーも同様の挙動を示したが、飽和磁化の値はm-フェニレンジアミンポリマーより低下した。これらの結果から、フェニレンジアミンポリマーは微量の鉄またはニッケルと錯体を形成し、軟強磁性材料となり得る事が示された。
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