研究課題/領域番号 |
10876009
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 尚志 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30192644)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 植物病原糸状菌 / Fusarium oxysporum / トランスポゾン / トランスポゾンタギング |
研究概要 |
先に申請者らは、ユウガオつる割病菌(Fusarium oxysporumf.sp.lagenariae)から、これまで病原糸状菌では全く報告されていなかったAcタイプトランスポゾン(Tfo1と命名)を単離した。本研究では、Tfo1を用いた糸状菌の遺伝子タギング法の確立を目指し、以下の研究を行った。 1. Tfo1の転写RNAと転移中間体の検出 Tfolにはトランスポゼース様タンパク質の読み枠(ORF1)が存在する。ユウガオつる割病菌から、ノーザンハイブリダイゼーションとRT-PCRを用いてORF1の転写RNAを検出し、ORF1がトランスポゼース遺伝子として機能していることを示唆した。さらに、PCRを用いて、ユウガオつる割病菌の全DNAから転移中間体と考えられている環状Tfo1を検出した。また、ゲノム中に存在するTfo1の両側には、トランスポゾン挿入領域に特徴的な重複配列が存在することを確認した。以上の結果は、Tfo1が転移活性を有することを強く示唆した。2. 形質転換系を用いたTfo1の転移活性の検出 β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子(uidA)をレポーターとして用いて、Tfo1の転移活性の検出を試みた。全長Tfo1配列をAspergillus nidulansのgpd遺伝子プロモーター(Pgpd)とuidAの間に組み込み、Pgpd::Tfo1::uidA融合ベクターを作製した。本ベクターによる形質転換体では、Tfo1が転移した場合にのみ、GUS活性が検出されると予想された。Pgpd::Tfo1::uidAによる形質転換体の菌体抽出液のGUS活性を測定したところ、Pgpd::uidAによる形質転換体の1/1000程度の活性が検出され、その頻度は低いが、ベクターからのTfo1の切り出しと転移が起きていることが示唆された。そこで現在、この形質転換体を用いて、遺伝子タギングを試みている。
|