研究課題/領域番号 |
10876054
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学・草地学
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
上原 孝吉 東京農工大学, 農学部, 教授 (10014953)
|
研究期間 (年度) |
1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | コラーゲン / プロモーター / トランスジェニックマウス / 毛乳頭細胞 |
研究概要 |
毛乳頭細胞は毛の発生・成長を制御している特殊な間葉系細胞で、毛の原基である毛母細胞とは基底膜を介して接しており、これらの細胞は様々な情報シグナルの交換を行っていると考えられているが、その特性については未だ不明な点が多い。今回、I型コラーゲンのプロモーター領域およびその下流にホタル・ルシフェラーゼ或いはβ-ガラクトシダーゼをレポーター遺伝子として別々に組み込んだコンストラクトを同時に遺伝子導入したトランスジェニックマウスを用いて毛の成長と毛乳頭細胞の動態との関連について検討してきた過程で、X-galを用いた組織化学染色により、成長期における毛乳頭細胞がβ-ガラクトシダーゼの発現を示すことを見いだしたので報告する。I型コラーゲン遺伝子プロモーター・トランスジェニックマウスから経時的に背部皮膚および口唇部(ヒゲ)を採取し、Xgalによるブロック染色を施した後、パラフィン包埋、薄切切片を作製した。また、試料採取と同時に各々のマウス尻尾よりシフェラーゼを抽出し、その酵素活性を測定した。毛乳頭細胞は生後一週目で既にX-gal陽性を示した。毛周期の休止期に移行した毛乳頭細胞ではX-gal陰性であったが、成長期において毛根部が真皮深部へ侵入していく過程において、再び毛乳頭細胞はX-gal陽性所見を示した。この結果より、毛周期が成長期にある場合、毛乳頭細胞においてI型コラーゲン遺伝子・プロモーターの活性化が起こっていることが判明した。I型コラーゲン以外の他の細胞外マトリックス蛋白質遺伝子も活性化している可能性があるため、現在、いくつかの細胞外マトリックス蛋白質についてin situ hybridizationを行い、さらに、このトランスジェニックマウスのヒゲより毛乳頭細胞を単離、細胞培養系の確立を試みている。
|