研究課題/領域番号 |
10876069
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島田 幹夫 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (50027166)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 菌根菌 / 共生菌 / 成長促進 / シュウ酸 / 荒廃地造林 / ハツタケ / アカマツ / 有機酸 / 熱帯雨林再生 / 共生 / 生物肥料 |
研究概要 |
前年度確立したアカマツとハツタケとの共生培養系において生産された有機酸を定量し、これら有機酸のアカマツとハツタケの成長促進効果を明らかにした。まず、同定された有機酸は、乳酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸であり、主要な有機酸はシュウ酸(30mg/L culture)であった。さらに、42日間の共生培養により、アカマツ単独培養系に比べ共生系では、培地中シュウ酸蓄積量は100倍に増大した。そこで、アカマツ実生をシュウ酸が添加されたバーミキュライト中無菌培養した結果、対照区に比べ直根が2倍、乾燥重量が1.4倍増大した。しかし、その結果は42日間の培養では観察されず、82日間の培養のみ観察された。従って、共生培養系においてハツタケにより分泌されたシュウ酸は、培養日数を経るにつれてアカマツ根の成長を促進することが示唆された。一方、コハク酸蓄積量は、アカマツ単独培養系では培養日数に従い増大したが、ハツタケ単独培養系及び共生培養系では蓄積されなかった。さらに、ハツタケ菌糸体の伸長はコハク酸の添加により促進された。したがって、共生培養系においては、ハツタケがアカマツの生産するコハク酸を代謝し、栄養源として利用していることが示唆された。 結論として、アカマツとハツタケは共生することにより、相互に各種の有機酸を生産し利用しながら、互いの成長を助け合って、植物の根圏を発達させていることが推定される。
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