研究課題/領域番号 |
10877011
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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研究分担者 |
佐藤 純 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00235350)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 気象 / 低気圧 / 低温 / 慢性痛 / 交感神経 |
研究概要 |
気象条件変化の慢性痛増悪機構を明らかにするため健常および慢性疼痛モデル(坐骨神経損傷)ラットの痛覚反応に対する低圧・低温環境曝露の効果を解析した。 一側の坐骨神経を絞扼したラット(CCI群)、対照群、腰部交感神経を切除したCCIラットおよび対照ラット(SYX+CCI群とSYX群)、鼓膜を破ったラット(TPX群)を作製し、実験に供した。5分間中に後肢を挙上する積算時間(自発痛)、(1)足背部に圧力を加え、足を引っ込めた時の加重値(P値)、(2)足底部にvon Frey毛を押しあて、足を挙げた時の加圧値(VF値)、(3)足底部に安全ピンの先を押しあて、足を挙げている時間(挙上時間)、(4)足底部に輻射熱を与え足を挙げるまでの潜時(熱痛覚潜時)を測定した。また、足底皮膚温を非接触型温度計を用いて測定した。CCI手術1-5W後、(1)大気圧から20mmHg減圧の低気圧曝露、(2)室温を22℃から15℃の低温曝露を行った。 低圧曝露:対照群の測定値に影響無かったが、CCI群の自発痛、VF値の低下、挙上時間の延長、熱痛覚潜時の短縮を増強した。SYX群とSYX+CCI群ではVF値の低下と挙上時間の延長効果は無かった。低圧曝露は全群の足底皮膚温に影響を与えなかった。 低温曝露:対照群の測定値に影響無かったが、CCI群の自発痛、P値の減少、VF値の低下、挙上時間の延長を増強した。SYX群のP値、VF値、挙上時間は変化無かったが、SYX+CCI群ではVF値の低下と挙上時間の延長がみられた。低温曝露は全群の足底皮膚温を低下させたが、効果はCCI群、SYX+CCI群の患肢において著明であった。 以上より、慢性疼痛モデルの疼痛の程度は低温および低気圧曝露により明らかに増悪することが判った。メカニズムにおける交感神経活動の重要度が両者において大きく異なることも判った。気圧検出器は鼓膜・鼓室には存在しない事も明らかとなった。
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