研究課題/領域番号 |
10877027
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森 正敬 熊本大学, 医学部, 教授 (40009650)
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研究分担者 |
後藤 知己 熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / アルギナーゼ / アルギニン / マクロファージ / リポポリサッカライド / アミロイド形成 |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)は重要かつ多彩な機能が注目されている生理活性物質であるが、過剰に産生された場合には宿主細胞にも障害を与えるため、過剰なNO産生を抑制する何らかの機構の存在が考えられる。NOはNO合成酵素(NOS)の働きによりアルギニンを基質として合成されるが、アルギニンはアルギナーゼの基質でもあるため、両者が同一の細胞に発現した場合には基質を競合することになり、NO産生が抑制される可能性がある。実際、我々はこれまでに大腸菌リポポリサッカライド(LPS)刺激したラット腹腔マクロファージやLPSを腹腔内投与したラットの肺において誘導型NOS(iNOS)とともに肝型アルギナーゼ(アルギナーゼI)が共誘導されることを明らかにしている。そこで今回、マウスマクロファージ系培養RAW細胞を用いて、アルギナーゼの共誘導がiNOSによるNO産生を抑制するかを検討した。 RAW細胞をLPSおよびIFNγで刺激すると、iNOSはmRNA、蛋白ともに誘導され、NO産生は明らかに亢進した。これに対し、LPSおよびIFNγにさらにデキサメサゾンおよびcAMPを加えた場合には非肝型アルギナーゼ(アルギナーゼII)が誘導され、NO産生は著しく減少した。デキサメサゾンあるいはcAMPの一方のみでは、ほとんど効果は見られなかった。このアルギナーゼIIの誘導によるNO産生の抑制効果は、培養液中に大量のアルギニンを加えることにより認められなくなった。誘導されたアルギナーゼIIが細胞内のアルギニンを消費することにより、NO産生を抑制しているものと考えられた。
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