研究課題/領域番号 |
10877033
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50217668)
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研究分担者 |
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70108710)
橋本 修一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00243931)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | EP-24.16 / 肺腺癌 / 肺扁平上皮癌 / エンドペプチダーゼ / 転移 |
研究概要 |
癌細胞の増殖、転移には、以前よりプロテアーゼの果たす役割が重要であることが示唆されてきたが、今回我々は癌とプロテアーゼとの関係を「マトリックスの分解」という点からではなく「癌細胞の増殖抑制」という視点から解析試みる。具体的には、生理活性ペプチドの代謝に関与し、細胞の増殖制御に関わりうる新規の酵素(EP-24.16)が癌細胞の増殖制御への関与を解明する事を主眼に、昨年に引き続き九大病院ヒト肺癌組織標本を用いたEP-24.16の発現状況の検討を行った。肺腺癌において、本酵素は、分化度が良い場合には、気管支上皮細胞の腔側の細胞膜状に陽性反応を示し、正常の場合と同様の所見を認めた。ただし分化度の低下につれ、癌細胞の胞体が陽性になる傾向あった。とりわけ線維化を伴うような箇所ではそれが顕著で、湿潤癌細胞が陽性になる傾向にある。従って、本酵素は、昨年来の結果とも考え合わせると、分化に伴う細胞の機能変化から、細胞内局在様式が変化することで、癌細胞の浸潤発育に何らかの関与をしているものと考えられた。しかし、その機構については不明である。また一方、扁平上皮癌でも同様な傾向が観察されたが、腺癌の場合ほど陽性反応は顕著ではなかった。今後は、こうした癌細胞の種類による違いについて、説明のつく結果は得られておらず、他の癌についてさらに症例数を増やし検討していく予定である。
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