研究課題/領域番号 |
10877080
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤水 尚史 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20231813)
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研究分担者 |
本庶 佑 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80090504)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 免疫グロブリン遺伝子 / TSHレセプター / 抗TSHレセプター抗体 / バセドウ病 / トランスジェニツクマウス / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
我々は、ヒト免疫グロブリン遺伝子導入マウスを用いて、ヒト型抗TSH受容体抗体の作製と同抗体遺伝子解析を試みている。本年度は、抗原であるTSH受容体の精製と解析をさらにすすめた。 TSH受容体蛋白として、バキュロウイルス系のシステムによつて大量発現精製し、これを精製している。すなわち、我々はこれまでに以下の方法によりC末端にHis tagを融合させた可溶型TSHRの作成を行った。この方法によつて、我々は初めて細胞の培養上に可溶性TSHRを分泌させることに成功した。また、ヒトTSHRあるいはバキュロウイルスgp67蛋白質のシグナル配列を付加したTSHRの細胞外ドメインをコードするsTSHR-Wild(aa1-410)、sTSHR-gp(aa21-410)を作製し、その発現、性状を比較検討した。その結果、sTSHR-Wild及びsTSHR-gpは細胞上清画分から約58KDa、細胞抽出画分から約62、49KDaの蛋白質として検出された。両面分の可溶型TSHRのサイズの違いを検討するため、グリコシダーゼを用いて糖鎖の同定を行ったところ、細胞抽出画分の可溶型TSHRはハイマンノース型糖鎖を、細胞上清画分の可溶型TSHRは欠失型ハイマンノース型糖鎖を持っていた。さらにバセドウ病患者血清中の抗TSHR抗体との結合性を検討したところ、両面分から得られたsTSHR-Wild、sTSHR-gpどちらも抗TSHR抗体と結合したが、sTSHR-gpの方が抗体結合が高かった。また、TSHに対する結合性はsTSHR-gpの細胞上清画分にのみ確認された。これらのことから可溶性TSHRの細胞上清の分泌性には付加される糖鎖が重要であるが、抗体との結合には影響を与えないものと思われた。しかしシグナル配列の違いにより抗体結合性に差が生じたことから、バキュロウイルスのシグナル配列を付加した方がよりnativなTSHRを作製できるものと考えられた。 ヒト免疫グロブリン遺伝子導入ゼノマウス(XenoMouse II)供給を日本たばこ産業株式会社医薬研究所・久保田から供給してもらうめどがついた。
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