研究課題/領域番号 |
10877106
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (00215047)
|
研究分担者 |
永井 良三 群馬大学, 医学部, 教授 (60207975)
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 助手 (60270857)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | Klotho / ANP / BNP / Ca^<2+>-ATPase / 心筋細胞 / 老化 / 分化 / 遺伝子 |
研究概要 |
Klotho欠損マウスは、著しい中膜石灰化、血管内膜平滑筋の増殖、骨粗しよう症、肺気腫、生殖腺の萎縮など、早期老化に相当する多彩な変化を呈する。klotho遺伝子の発現は、腎臓と脳に多く認められるが、心筋にはわずかの発現を認めるのみである。しかし、心筋組織における、いくつかの遺伝子発現について解析したところ、10週齢のホモ個体において、野性型に比してSRのCa^<2+>-ATPaseのmRNAレベルが明らかに減少し、ANP-,BNPmRNAの発現が増加し、圧負荷により生ずる肥大心筋にみられる変化と合致していた。しかし、このマウスにおいては、明らかな心肥大や拡張性変化はない。このことから、心筋細胞の分化機構の異常が基礎にある可能性がある。しかし心筋における蛋白合成速度、およびRNA合成速度は、野生型、ヘテロ、ホモにて差はみとめられなかったことから、基本転写や蛋白への翻訳過程には明らかな異常はないと考えられる。一方、Klotho欠損マウスでの肺組織では組織的には肺気腫の変化が強くおこるにも関わらず、RNAレベルの検討ではcollagenやTGFbなど細胞外マトリックスの産生に関与する因子の増加がみられていることを観察している。この事実から、心筋にみられるANP,BNPの過剰発現は、負荷に対する過剰反応あるいは細胞レベルではKlotho欠損が細胞外からの刺激に対して防御機構が低下していることを反映していることを示唆している。
|