研究課題/領域番号 |
10877109
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252447)
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研究分担者 |
荒井 秀典 京都大学, 医学研究科, 助手 (60232021)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 粥状動脈硬化 / M-CSF / c-fms / PDGF / PDGF受容体 / アポEノックアウトマウス / マクロファ-ジ / 血管平滑筋細胞 |
研究概要 |
粥状動脈硬化は各種細胞間の刺激応答、特にサイトカインならびに増殖因子などの液性因子が関与しあって成立することが明らかになりつつある。粥状動脈硬化初期巣は、単球の血管内皮への接着、内膜への遊走、マクロファージへの分化ならびに泡沫細胞化を特徴とし、他方進行病巣では血管中膜平滑筋細胞の内膜への遊走と増殖が顕著となる。本研究ではこれらの過程に関わる液性因子のうちM-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)受容体チロシンキナーゼであるc-fmsならびに同じく受容体チロシンキナーゼであるPDGF(血小板由来増殖因子)α、β受容体各々に対する拮抗抗体を粥状動脈硬化モデル動物であるアポEノックアウトマウスに投与し、粥状動脈硬化進展への影響を解析した。抗c-fms抗体を投与したマウスでは粥状動脈硬化の初期病変が著しく抑制されるが、進行した病変には効果を認めなかった。ゆえにM-CSFは少なくとも粥状動脈硬化の早期においては病変発症に必要であるが、進展病変の維持には必須ではないことを示すものである。他方マウスPDGFβ受容体に対する拮抗抗体を投与したマウスでは、進行した病変において、病変の更なる進展に対する抑止が認められ、病巣における血管平滑筋細胞/マクロファージ細胞比の低下傾向を示した。一方PDGFα受容体に対する拮抗抗体の粥状動脈硬化進展への抑制効果は抗β受容体抗体のそれに比べ軽微であった。以上より進行病変においてはPDGFβ受容体からの情報伝達系が重要であり、その遮断は進展した病変に対しても治庫的効果を持つ可能性を示す。現在各因子からの情報伝達遮断が細胞の集族、細胞周期、細胞死誘導に与える影響につき検索中である。
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