研究課題/領域番号 |
10877131
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田上 八朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60026911)
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研究分担者 |
高橋 和宏 東北大学, 大学院・医学部・附属病院, 講師 (20226822)
照井 正 東北大学, 大学院・医学部・附属病院, 講師 (30172109)
船山 道隆 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90292333)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 角層 / 乾癬 / 好中球 / 掌蹠膿疱症 / 補体 / 白血球 / Tリンパ球 / HLA-DR発現 / スーパー抗原 |
研究概要 |
無菌性膿疱の形成において、膿疱の天井をなす角層下面に多形核白血球が多数付着し、角層を破壊して行く像が認められる。攻撃する白血球はすげて好中球特異的エラスターゼが陽性の好中球である。好中球と角層との反応を掌蹠膿疱症の組織像での計測から分析してみると、角層の厚さは、薄くなった中央部分のところでは、正常の半分の厚さにまで白血球の攻撃により削られて菲薄化していた。一方、このようにして剥離した角層片の周辺には多数の白血球が集合しており、中央部では剥離した角層細胞は好中球の占める面積の約12%であるのに対し、周辺ではそれに集まる好中球が主体で、角層は2〜3%であった。さらに、免疫組織化学的に組織内での浸潤細胞を調べると膿疱下部をなす表皮下層ならびに真皮上層には多数のCD45R0陽性のTリンパ球の存在を認めた。そこには散在するS-100陽性の樹状細胞の存在を確認した。 これまでの研究成果をまとめると、樹状細胞との反応により活性化したTリンパ球により、炎症が引き起こされ、表皮内に浮腫がおきる。その結果、角層が直接、組織液とふれると、そこにおいて組織液中の補体の活性化がはじまる。角層表面に補体C3biが付着すると、そこに接着し活性化された白血球は角層を攻撃しつづけ、角層細胞間の接着を破壊するようになる。たとえ剥離した角層細胞が膿疱内に浮遊しても、この反応が続き周辺の正常表皮細胞に破壊作用を及ぼす、と結論した。
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