研究課題/領域番号 |
10877162
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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研究分担者 |
岡本 真一郎 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50160718)
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
池田 英之 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (40301494)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | マイナー組織 / T細胞 / 同種骨髄移植 / GVHD(graft versus host disease) / GVL(graft versus leukemia) / 白血病 / 免疫療法 / cDNA発現クローニング / マイナー組織適合抗原 / GVH / GVL / 骨髄移植 |
研究概要 |
近年、GVHやGVL反応に関与するマイナー組織適合抗原に対する同種免疫反応が、ドナーリンパ球輸注やミニ移植として、白血病の治療に応用されつつある。本研究では、その同種反応の細胞・分子レベルでの解明をめざした。平成11年度は、前年度に引き続いて、平成11年2月から7月までに施行された同種骨髄移植例12例を合わせて、合計14例のMHCマッチ同種骨髄移植を施行した患者(急性骨髄性自血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、再生不良性貧血)において、同種抗原特異的T細胞を誘導を試み、その性質を解析した。移植後に生着したドナー由来の患者末梢血リンパ球から、移植前の患者血液細胞の同種抗原に特異的に反応するT細胞の誘導を試みた。具体的には、移植後の患者から得た末梢血リンパ球を、移植前に得た患者末梢血単核球、あるいは、そこから樹立したEpstein BarrウイルストランスフォームB細胞株(EBV-B)でin vitroで頻回刺激することにより、14例中4例(29%)に元の患者EBV-BあるいはPHAブラストを選択的に認識して、サイトカインを分泌したり、細胞傷害を起こすT細胞が誘導された。インターフェロンγ分泌試験の結果と細胞傷害試験の結果は相関した。同種抗原反応性T細胞の誘導率が米国での成績よりも低率であったが、米国に較べて、日本人が均質であることが一つの要因となる可能性がある。T細胞が誘導できた4例中、2例はCD8+T細胞であり、2例はCD4+T細胞であった。CD4+T細胞は抗HLA抗体を用いた阻害実験により、1つはHLA-DRとDP拘束性、もう1つはHLA-DQ拘束性であることを明らかにした。今後、cDNA発現クローニング法を用いて、これらT細胞が認識する同種抗原を単離して、そのGVHやGVLへの関与を検討する予定である。
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