研究課題/領域番号 |
10877171
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172263)
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研究分担者 |
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | レプチン / 胎盤 / 妊娠中毒症 / BeWo細胞 / 絨毛細胞 / 低酸素 / プロテインキナーゼA / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
我々は既に、肥満遺伝子産物(レプチン)が胎盤の絨毛細胞において生合成・分泌されていることを明らかにした。本研究では、絨毛細胞の異常を伴う妊娠合併症である妊娠中毒症における血中レプチン濃度と胎盤のレプチン遺伝子発現を検討した。重症中毒症群の血中レプチン濃度は101.5±14.9ng/ml(n=18)であり、対照群(37.8±5.0ng/ml,n=39)よりも有意に高値を示した(P<0.0001)。重症妊娠中毒症妊婦の胎盤ではレプチン遺伝子発現の著しい亢進が認められた。ヒト絨毛癌由来細胞株BeWo細胞を低酸素条件下(O_25%)にて培養すると、hCG分泌量は低下したが、レプチン分泌量は対照群(O_220%)の約3倍に増加した。重症妊娠中毒症妊婦では胎盤の低酸素によりレプチン産生が亢進し血中濃度が上昇する可能性が示唆された。 更に、BeWo細胞を用いて、絨毛細胞におけるレプチンの生合成・分泌調節機構を検討した。BeWo細胞にアデニル酸シクラーゼを活性化するforskolin(FK)又はプロテインキナーゼC(PKC)を活性化するphorbol myristate acetate(PMA)を添加した培養土清中のレプチン濃度は時間依存的かつ用量依存的に増加し、FK20mM添加5日目では非添加群の約4倍、PMA100nM添加では約3倍に上昇した。又レプチンmRNA発現はFK、PMAにより用量依存的に増強した。FK、PMKによるレプチン産生の増加はそれぞれ、プロテインキナーゼA(PKA)の阻害剤H89、PKC阻害剤M7により完全に抑制された。以上より、絨毛細胞におけるレプチンの生合成・分泌はPKA及びPKCの活性化により誘導されることが明らかとなった。
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