研究課題/領域番号 |
10877189
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳衛 宏宣 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30212278)
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研究分担者 |
野中 泰政 東京大学, 医科学研究所, 医員
吉崎 巌 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70200970)
杉山 弘高 愛知医科大学, 医科部, 講師 (70242112)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 免疫遺伝子治療 / 補助刺激分子 / 腫瘍抗原特異的キラーT細胞 / 腫瘍ワクチン / 腫瘍抗原エピトープ / C型肝炎ウイルス細胞障害領域 / アポトーシス / 樹状細胞 / 細胞融合 / TRAIL |
研究概要 |
我々は、これまで肝癌細胞をモデルに腫瘍ワクチンおよびTRAILの開発をめざして、腫瘍細胞研究を以下の二点に注目して解析してきた。1)T細胞が認識する腫瘍抗原の同定。2)C型肝炎ウイルスの肝細胞障害作用。以上の二点についてこれまでの成果を述べる。 1)細胞性免疫応答調節に関与するとされるB7-1分子をマウス肝細胞癌Hepa-6(H-2^b)にlipofectionによりマウスB7-1遺伝子を導入し、B7-1分子を発現させたtransfectant(L1)を作製した。さらに、transfectant(L1)を腹腔内に免疫した同系マウス脾臓細胞より、Hepa-6特異的CD8^+ class I MHC(D^b)分子拘束性CTL lineを樹立し、^<51>Cr releasing assayによる傷害活性を測定した。樹立したCTLは正常肝細胞をほとんど傷害せず、transfectant(L1)、Hepa-6を同程度に傷害排除する一方、他の同系腫瘍細胞に対する傷害活性は見られなかった。このCTL lineが抗腫瘍作用を持つことを、同種移植・自家移植によるinvivoでも明らかにした。Hepa-6特異的CTL lineが、Hepa-6表面のclass I MHC(D^b)分子内より提示される抗原epitopeをMild acid elution methodにより分離精製した。精製した腫瘍epitopeは、事実同種細胞上でT細胞を活性化し、同系肝細胞癌株を認識し、^<51>Cr releasing assayにて殺傷されることを確認した。現在、更にこれらepitopeをHPLCで精製し、肝細胞癌共通抗原epitopeを含んでいるかアミノ酸配列を解析している。 2)肝細胞癌の主な原因の一つであるC型肝炎ウイルスの中に細胞障害を引き起こす領域を同定した。この領域には、アポトーシスを引き起こし肝細胞を死に至らしめる作用と核染色体異常をおこす作用がある事を見いだした。この領域をINES領域と名付けた。INES領域は、ロイシンとイソロイシンが多く含まれている特異な構造をとっていた。細胞内のRanとExportinに作用して、染色体構造を傷害している事が判明した。そして、肝細胞にアポトーシスを引き起こしていた。詳細なシグナル伝達系について検討を行っている。
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