研究課題/領域番号 |
10877221
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
合志 清隆 産業医科大学, 医学部, 助手 (90195660)
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研究分担者 |
安部 治彦 産業医科大学, 医学部, 助手 (70231967)
加藤 貴彦 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (70169506)
木下 良正 産業医科大学, 医学部, 助手 (00258617)
欅田 尚樹 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90178020)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 癌治療 / 放射線治療 / 高気圧酸素 |
研究概要 |
癌の放射線治療に高圧酸素が応用されていたが、従来はタンク内への放射線照射であり正常組織に対する影響が増強された。この問題を解決するために、高圧酸素後に照射する新しい併用法を行ってきた。 前回の研究では、腫瘍の種類により治療効果に差があることと、高圧酸素終了後30分以内の放射線照射開始で治療効果が高まることを示した。 今回の腫瘍モデルはSCCVII腫瘍を用い、組織内酸素の測定を動物用MRI測定装置で行ったが、分子状酸素がMRI画像を増強する性質を利用したIR-FLASH法を用いた。 最初に、水に溶解させた分子状酸素をIR-FLASH法で測定し、この測定法で溶解型酸素が正確に測定可能であることを確認した。次いで、腫瘍組織の酸素分圧の測定は、曝露前の状態をコントロールとして、曝露終了直後、15、30、60、90分後に行い、同時に周囲筋肉組織も測定した。腫瘍組織内酸素分圧の変化は、コントロールに比較して、それぞれ20%、18%、15%、13%、10%であった。また、周囲の筋肉組織は、18%、11%、5%、0%、-2%の変化を示し、腫瘍に比べて急速に低下することが確認された。 この研究結果は、低酸素細胞を含有する腫瘍組織では、高圧酸素終了後に比較的長く高い酸素分圧が保持され、正常組織では急速に正常値に向かうことを示しており、この時期の放射線照射では正常組織への副作用増強が少ないことを示唆している。この新しい併用治療の有効性を実験的に確認することは、放射線治療全般において極めて重要な意味を持つと考えられる。
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