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局所麻酔薬副作用の分子機構:運動蛋白質1分子レベルでの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10877240
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 麻酔・蘇生学
研究機関大阪大学

研究代表者

真下 節  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60157188)

研究分担者 吉矢 生人  大阪大学, 医学部・附属病院, 教授 (80028505)
竹之下 真  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00144486)
西村 信哉  大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (00263286)
研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード局所麻酔薬 / 軸索輸送 / キネシン / 微小管 / 運動再構成系 / 1分子運動アッセイ / 滑り運動 / 蛍光標識
研究概要

局所麻酔薬には本来の神経遮断作用以外に様々な副作用が報告されているが、その作用機序はいずれも不明である。これら副作用には、ミオシン・キネシン・ダイニンといった細胞内運動蛋白質が共通して関わっている。したがって、局所麻酔薬がこれら運動蛋白質の運動能を直接阻害することを示し得たならば、種々の副作用の機序を一元的に解明できる可能性がある。
本研究では局所麻酔薬による神経細胞の軸索輸送阻害作用に注目した。局所麻酔薬は神経細胞の早い軸索輸送を用量依存性・可逆的に抑制することが知られている。軸索輸送は、被輸送小胞に結合した運動蛋白質キネシンが、ATP加水分解のエネルギーを用いて微小管に沿って滑り運動することにより行われる。我々は、キネシン-微小管系のin vitro 運動再構成モデル(多分子系及び1分子系)を用い、局所麻酔薬がキネシン運動能に与える直接作用を検討した。
1.In vitro motility assayの系にて、局所麻酔薬(テトラカイン・リドカイン)はある閾値をもって、キネシンに沿った微小管の滑り運動を可逆的に停止させた。リドカインの常時荷電型QX-314もリドカインと同様の作用を示したことから、この作用は局所麻酔薬の荷電型によるものと考えられた。
2.1分子運動アッセイの系にて、局所麻酔薬テトラカインは個々のキネシン分子の運動(微小管上の滑走距離)を用量依存性に抑制した。
3.キネシン ATPase活性は局所麻酔薬により影響を受けなかったことから、局所麻酔薬はキネシンの運動サイクルのうちATP加水分解以降の過程を阻害することが示された。
本研究でキネシン運動能を抑制した局所麻酔薬濃度は、これまで神経細胞の軸索輸送を阻害すると報告されている濃度とよく一致した。したがって、局所麻酔薬による神経細胞の軸索輸送阻害作用は、キネシン運動能の直接阻害によるものであることが明らかとなった。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshikazu Miyamoto et al.: "Direct Inhibition of Microtubule-based Kinesin Motility by Local Anesthetics"Biophysical Journal. 78・2. 940-949 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Yoshikazu Miyamoto et al.: "Direct inhibition of the microtubule-based Kinesin motility by local anesthetics"Anesthesiology. 89・3A. A1419 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Miyamoto Y,Mashimo T,Iwano AH,et al.: "Direct inhibition of the microtubale-based kinesin motility by local anesthetics." Anesthesiology. 89・3A. A1418 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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