研究課題/領域番号 |
10877261
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
本田 謙一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40244644)
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研究分担者 |
梅咲 直彦 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20106339)
深山 雅人 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50305629)
田中 哲二 大阪市立大学, 医学部, 講師 (80275255)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アポトーシス / サイトカイン / 受容体 / 卵巣癌 |
研究概要 |
【研究目的】我々は2種類の癌細胞培養上清に強力なアポトーシス阻害活性の存在を発見し、これらのアポトーシス抑制分子の精製およびそのcDNAクローニングを目的として研究を行ってきた。 【研究成果】 (1)ある種のマウス白血病細胞培養上清に放射線誘発アポトーシスおよびFas介在アポトーシスを強力に抑制する活性を1995年に発見したことから、まずアポトーシス抑制活性を指標に細胞培養上清から抑制分子の精製を試みた。極めて不安定な物質であり、低温操作と、20%Glycerol含有緩衝液を用いた精製を試みたが、高次構造あるいはオリゴマー構造のためか精製途中で活性が消失するという結果に終わった。次にこのアポトーシス抑制分子に対するモノクローナル抗体作製を計画したが、免疫ラット血清には中和抗体活性が検出されなかった。cDNAへ発現クローニング法についてはアポトーシス抑制分子分泌細胞株の特許権問題があるために、代用細胞として白血病細胞株を20種類近くスクリー二ングしたが、同様のアポトーシス抑制活性は検出できなかった。現在の所、このアポトーシス抑制活性物質については、分子レベルでの追求を中止しており、これまでの研究の途中経過を論文に執筆している。 (2)研究分担者のひとりである田中が発見したアポトーシス現象(田中の樹立したマウス白血病細胞が酸化ストレスによリアポトーシスに陥る:Tanaka et al., Eur J Immunol.1994)を強く抑制する活性を、ヒト卵巣癌およびヒト子宮癌細胞株培養上清に認めたことがきっかけである。(1)これまでの諸実験から、本分子は分子量が比較的小さい未知のサイトカインであると予測し、まず直接的なcDNA発現クローニング法を試みた。分泌細胞mRNA由来pCDM8cDNA libraryを作製し、COS7にトランスフェクションし、その培養上清のアポトーシス抑制能を指標にスクリーニングした。5回スクリーニング後に、約200クローンを個別に検討したが、目的とする活性分子は見つからなかった。(2)当初、粗精製アポトーシス抑制分子でマウスを免疫しモノクローナル抗体の作製を試みたが、マウス血清中には中和活性が見い出せなかった。現在は、高純度精製分子を用いてハイブリドーマ樹立を再度試みている。分子クローニングが未成功であるためにまだ予定した論文は完成していないが、現在までに判明した細胞生物学的諸性質を論文にまとめている。
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