研究課題/領域番号 |
10877269
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
岩崎 紀子 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70288299)
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研究分担者 |
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50271375)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 唾液腺腫瘍 / 多形腺腫 / HMGI-C遺伝子 / 3'RACE / structural factor / cryptic splicing / 耳下腺多形腺腫 / 3′RACE法 / キメラ遺伝子 / RT-PCR法 / Northem blot法 / ヒト胎児 |
研究概要 |
唾液腺腫瘍の発生におけるstructural factorの一つであるHMGI-C遺伝子の活性化の関与とその分子機構の解明を目的に研究し以下の成績を得た。 1.HMGI-C/GST融合蛋白に対する特異抗体を用い、15例の多形腺腫を含む良性・悪性の種々の唾液腺腫瘍組織を免疫組織学的に検討した。多形腺腫11/15例(73%)の腫瘍細胞核にHMGI-Cの過剰発現を検出した。正常唾液腺組織や他の唾液腺腫瘍ではHMGI-Cの発現は観察されなかった。 2.同抗体を用いたWestern blot法による正常唾液腺組織及び各種唾液腺腫瘍の解析でも、多形腺腫特異的なHMGI-Cの過剰発現が確認された。 3.HMGI-Cを過剰発現する多形腺腫(PA-1)におけるHMGI-C遺伝子転写物を3'RACE法を用い解析し、HMGI-C遺伝子第1、2、3エキソンが第3・4エクソン間のイントロンの一部と融合した異常転写物であることが明かとなった。 4.Nested PCRによる解析によりPA-1では正常HMGI-C遺伝子転写物の発現は認めなかった。 5.Southern blot法による解析ではPA-1遺伝子の増幅や遺伝子構造の異常は認めなかった。 6.PA-1で観察されたHMGI-C遺伝子第3・4エクソン間のイントロンの発現が他の多形腺腫10例中3例でもRT-PCR法により観察された。 以上の結果から、唾液腺多形腺腫の発生にはHMGI-C遺伝子の活性化が深く関わっており、cryptic splicingによるtruncated HMGI-C遺伝子転写物形成が活性化機構の一つとして重要な役割を果たしていると推測された。
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