研究課題/領域番号 |
10877320
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
酒井 英紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60292976)
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研究分担者 |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 口腔癌 / 口腔前癌病変 / 原発巣 / 転移巣 / ディフェレンシャルディスプレー法 / テロメラーゼ活性 / 口腔扁平上皮癌(SCC) / 腺様嚢胞癌(ACC) / 頚部リンパ節転移 / cDNAサブトラクション法 / ディファレンシャルディスプレイ法 / cDNAライブラリー |
研究概要 |
東京医科歯科大学歯学部第二口腔外科を平成9年から11年に口腔癌及び口腔前癌病変を有して受診した患者のうち、生検時腫瘍材料を凍結保存可能であった約100例について、腫瘍材料の採取を行った。それぞれの材料を可及的に3分割し、RNA、DNAおよび総タンパク質の抽出に用いた。生検材料が微少であることから、核酸については、10^<-5>のオーダーでしか採取できず、検索の範囲が限られた。総タンパク質については、やはり量的な問題から、定量的問題検索は困難で、テロメラーゼ活性などの一部の定性的な実験に用いた。 今回の課題は、口腔癌症例のうち、頚部リンパ節あるいは遠隔転移を示した病例について、原発巣、転移巣各々の腫瘍の発現するmRNAの違いを検索し、その違いこそが、転移に関与する遺伝子の発現の相違、さらにはその遺伝子こそが口腔癌転移に関与するものと考え、その同定を目的とした。cDNAの作成には最低1μgのmRNAを必要とすることから、限られた2症例について、ヂフェレンシャルヂスプレイ法を用いて解析した。シークエンスゲル上で違いを示したバンドを切り出し、そのDNA断片を用いて、当科で樹立した口腔癌細胞及び初代培養口腔粘膜由来角化細胞について、発現の状態を検索したが明らかな相違は認められなかった。今回の検索で転移遺伝子同定が困難であった原因として、1.核酸の量的な問題から、核酸、cDNAの純度が落ちたこと、2.腫瘍材料に、原発巣では周囲の正常細胞及び浸潤リンパ球、転移巣では正常リンパ節組織の混入が防げなかったこと、3.核酸の量的な問題から違いを示したDNA断片の発現をもともとの組織で検索できなかったこと等が考えられる。現在、問題を解決するために、同一患者の原発、転移各々の組織から樹立した細胞株の使用を検討している。尚、原発、転移巣の違いを検索する目的で、両者のテロメラーゼ活性についても、今回収集した検体を用いて解析し報告している(酒井英紀 他 テロメラーゼ活性を用いた口腔前癌病変悪性転化の予測ワークショップII〜口腔癌の遺伝子診断・治療〜第44回(社)日本口腔外科学会総会(東京)1999、Eiki Sakai,Nobuo Tsuchida,Govindaswamy Shanmugan and Shoji Enomoto Diagnostic Techniques-Tumor Genetics,Vital Analysis Symposium on Advances in Head and Neck Oncology 14th International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery(Washington,DC)1999)。
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