研究課題/領域番号 |
10877327
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小浜 源郁 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80014009)
|
研究分担者 |
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
山下 利春 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50167706)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | p53 / p53関連遺伝子 / E1A / p21 / 細胞周期停止 / E4orf6 / 7 / アポトーシス / 転写活性化 / 組み換えアデノウイルス / 癌細胞株 / 増殖抑制 / Rax |
研究概要 |
1.細胞癌化と細胞死の両方に関係すると考えられているアデノウイルスの初期遺伝子E1AとE4orf6/7の機能解析を行い、以下の点を明らかにした。 (1)アデノウイルスE1Aは、野生型p53の存在下で強力なアポトーシス誘導能を示すが、E1Aによって不死化した初代ラット細胞株におけるp53は野生型であった。 (2)アデノウイルス初期遺伝子E4orf6/7は、ラット培養細胞をトランスフォームし、p53依存性アポトーシス誘導能を示した。 2.癌抑制遺伝子であるp53の機能解析を行い、以下の点を明らかにした。 (1)p53変異体(Arg→Leu)は、p21,Bax遺伝子の転写を活性化せずにHSC3細胞にアポトーシスを誘導することを見い出した。 (2)p53の導入発現によりアポトーシスを起こす細胞株において、p53によってp21^<waf1/cip1が>誘導されていること、またp21を導入発現させてもBax遺伝子が発現している細胞株ではアポトーシスが誘導されることを示した。 3.p53ファミリー遺伝子p73,p51とp53の転写活性化能、細胞増殖抑制能、アポトーシス誘導能について比較し、以下の点を明らかにした。 (1)p53に比べると弱いが、p73βおよびp51Aは内在性p21蛋白誘導能を示した。この結果は、p53応答性配列を介した転写活性化能の結果と一致した。 (2)p73,p51を発現する組み換えアデノウイルスを作製した。DNA断片化を指標にアポトーシス誘導能を検討した結果、複数のヒト癌細胞株において、p73βおよびp51A発現アデノウイルスはp53発現アデノウイルスに比べて強いアポトーシス誘導能を示した。 (3)細胞増殖抑制能とp21発現誘導能の結果から、細胞死を誘導するためのp73およびp51の標的遺伝子はp53標的遺伝子とは異なる可能性が示唆された。
|