研究課題/領域番号 |
10877328
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
仲西 修 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50137345)
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研究分担者 |
坂本 英治 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (00295859)
岩本 将嗣 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20223430)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Neuropachy / 三叉神経 / apoptosis / C-fos / apotosis |
研究概要 |
三叉神経領域における、神経-グリア-栄養因子の相互作用の神経細胞の存在と死、シナプス再構築への密接な関与を明らかにし、慢性痛の病態、とくに三叉神経中枢レベルにおける特定の神経細胞の傷害性と神経再生修復能の検討を行った。平成10年度は、慢性痛において、三叉神経脊髄路核の特定ニューロンにアポトーシスが発現することを明らかにした。すなわち、ラットを用い、全身麻酔下にBennet(三叉神経第二枝圧迫)変法のモデル作成を行い、手術後1、3、7、10日まで熱刺激による低域値刺激に対する反応で慢性痛の出現を確認した。また、各病日の摘出、凍結した三叉神経脊髄路核部を、クライオスタットで厚さ10μmの凍結切片を作成し、TUNEL染色、HE染色を行い、モデル作成後3-5日目より三叉神経脊髄路核にapoptosisが発現し、7日頃より necrosisが出現することを明らかにした。また、脊髄細胞へのapoptosisが出現への修飾作用として5-HT2A受容体阻害薬(塩酸サルポグラート)、Ca2+チャネル阻害薬(Cilinidipine)を神経圧迫5日後より灌流固定するまで投与した。その結果、6日目ごろより、両薬剤とも熱刺激に対する反応潜時が延長し、10日目ではほぼ対照群と同等まで近づいた。また、10日目のTUNEL染色、HE染色においても、両薬剤を使用しない状態に比してapoptosis、necrosisの軽減が認められた。以上より、知覚過敏の初期の細胞内シグナリング変調がapoptosisを招来し、病体の慢性化に伴い遅発性に抑制性介在神経の壊死へと進展するものと考えられる。また、末梢知覚神経系における5-HT2A受容体やCa2+チャネルの活性が神経因性疼痛に関与することが示唆された。
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