研究課題/領域番号 |
10877347
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津江 広人 (1999) 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (30271711)
平尾 健一 (1998) 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (60001757)
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研究分担者 |
津江 広人 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助手 (30271711)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ビイソキノリン / ラセミ化 / 絶対構造 |
研究概要 |
医薬品合成を追求する際には、幾つかの難しい問題を解決しなければならない。中でも慎重に考慮されなければならないのは、不斉合成を含む段階であることは論を待たない。本研究では、1,1'-ビイソキノリンよりキラルな新規反応場を構築することを最終目的として、8位および8'位に一連の置換基を導入したビイソキノリン誘導体の物性および反応性について基礎的な研究を行った。平成11年度においては、以下の研究項目を実施した。(1)8,8'-ジアルキル-1,1'-ビイソキノリンの合成は、1-ハロイソキノリンのホモカップリング反応によって行った。ここで、置換基としては、平成10年度の実績報告書で報告したメチル、エチル、およびイソプロピル基に加え、フェニル基を持つものを合成した。次いで、(2)合成した各誘導体について、キラルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー法ならびにジアステレオメリックなパラジウム二核錯体を利用して光学分割を行った。次いで、(3)各誘導体のラセミ化過程を高速液体クロマトグラフィーで追跡し、そのラセミ化速度を求めた。その結果、置換基が嵩高くなるほどラセミ化し易いという有機化学の常識とは全く逆の結果が得られた。そこで、(4)X線結晶構造解析および理論計算を併用して考察を行った結果、この"逆転現象"は、置換基の嵩高さに比例してラセミ化過程における基底状態が不安定化し、引き起こされた現象であることが明らかとなった。なお、以上の研究成果は、二報の欧文誌において既に公表済みである。
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