研究課題/領域番号 |
10877356
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐野 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10012668)
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研究分担者 |
川原 茂敬 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10204752)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 瞬目反射 / 古典的条件付け / 学習 / モルモット / 小脳 / 海馬 / 除脳 / 単離脳 |
研究概要 |
学習記憶の神経回路メカニズムを明らかにする研究の一環として、除脳標本を用いた実験系を開発した。瞬目反射条件付けは音を条件刺激(CS)とし、眼瞼刺激を無条件刺激(US)とするパブロフ型条件付けであり、音のみで瞼を閉じる(CR)ようになる。この学習には小脳および脳幹が必須であることが知られている。 1.除脳標本の作成 モルモットをイソフルラン吸入麻酔下に、片側総頚動脈の結索・気管カニューレの挿入を行った。その後、大脳皮質および海馬を吸引除去して脳幹部を露出し、スパーテルにより視床と上丘を離断し、間脳および大脳をすべて吸引除去した。麻酔停止2時間後より条件付けを開始した。 2.遅延課題による条件づけ まず、Interstimulus interval(ISI)が250msの標準的な遅延課題で条件付けを行ったところ、約300回で学習率(CR%)が80%に達した。CRの出現するタイミングはUSの直前であり、CSの意味とともにタイミングも正しく学習されることが明らかとなった。また、ISIが400msの遅延課題も学習することが可能であり、約400回でCR%が80%に達した。この実験系の確立により、ISIの異なる場合にタイミングがどこで学習されるか、また、意味の学習とタイミングの学習のメカニズムの相違を神経回路レベルで検討することが可能になった。 3.トレース課題による条件付け 次に、CSとUSが時間的に離れているトレース課題を行った。この課題はトレース間隔(TI)が長い場合(>500ms)、ウサギでは海馬の損傷により学習が顕著に傷害を受ける。除脳モルモットに対しTIが100-500msの条件付けを行うと、TIが長くなるに連れ学習速度は顕著に減少したが、500msにおいても学習する場合が認められた。このことはトレース課題の基本回路も小脳-脳幹にあることを示唆している。
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