研究課題/領域番号 |
10877360
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 東北大学, 薬学部, 教授 (80004604)
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研究分担者 |
吉田 真 東北大学, 薬学部, 助手 (90201011)
草場 美津江 東北大学, 薬学部, 助手 (50175311)
比佐 博彰 東北大学, 薬学部, 助教授 (60192712)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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キーワード | カルシウムチャネル / シルニジピン / カテコールアミン分泌 |
研究概要 |
本研究課題は、平滑筋に広く分布しているL型、ならびに神経終末に多く分布し神経終末からのカテコールアミン(CA)等の分泌に深く関与していることが見い出されたN型の両カルシウムチャネル(CaC)の遮断作用を併有するシルニジピンの薬理学的プロフィールを明らかにし、併せて抗高血圧薬としての臨床応用を展望することを目的とし、以下の知見を得た。 1 神経性血圧調節因子力テコールアミンの分泌機構に対する影響を麻酔下イヌ生体位副腎標本を用いて検討した結果、L型CaC拮抗薬ニフェジピンはニコチン受容体を介する刺激によるCA遊離を抑制したが、シルニジピンはこの機構に加え、さらに大内臓神経刺激並びにムスカリン受容体を介する刺激によるCA遊離をも抑制することを観察した。 2 高血圧モデル動物である高血圧自然発症ラットにおいて、典型的なL型CaC拮抗薬ニカルジピンの経口投与(3mg/kg)により、降圧に伴う血漿ノルエピネフリン濃度・血漿レニン活性の上昇および心拍数の増加が観察された。他方、シルニジピンの経口投与(3mg/kg)では血漿レニン活性の増加傾向はみられたものの、血漿ノルエピネフリン濃度は変化せず、心拍数の増加もわずかであった。 以上の結果より、シルニジピンはL型CaC拮抗作用による血管平滑筋収縮抑制に加え、併有するN型CaC拮抗作用により神経終末からのCA遊離も抑制するために降圧に伴う交感神経系の興奮を減弱させることが示され、反射性頻脈の少ない抗高血圧薬としての臨床応用が期待される。
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