| 研究概要 |
昨年度はブロック暗号の鍵の持つ群論的特徴について考察し,ブロック暗号の鍵の集合の候補と考えられる,有限群Gの部分集合Uで条件
(i)集合UUと集合Uとの共通部分が空集合,または
(ii)集合UUUと集合Uとの共通部分が空集合
を満足するものの構成法の一つを群論的に示した。すなわち
1.Gの適当な部分群Hを構成する。
2.HのGにおける正規化群Nを構成する。
3.剰余群N/Hにおいて位数が3以上の元nH(n∈N)を見つけ,その剰余類nHをUとおく。
であった。引き続き今年度は上の計算を実行するアルゴリズムを具体的に提案し,代数学ソフトGAPによる計算を行った。またその過程においてどのようなブロック暗号にも理論的にはMeet-in-the-middle attackと言う群論的な攻撃が可能であることを証明し,やはりGAPを使用した攻撃例も示した。この結果は電子情報通信学会英文論文誌Aの離散数学とその応用特集号に掲載の予定である。
さらにこの研究の遂行に必要なGAPやC言語のプログラミングに関する専門書も出版することができた。
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