研究課題/領域番号 |
10878135
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
中坪 敬子 (光永 敬子) 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 染色体 / 境界 / ウニ胚 / インスレーター |
研究概要 |
我々はウニのアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子上流に、エンハンサー機能を遮断する配列が存在することを発見し、その機能解析を行ってきた。その結果、Ars遺伝子上流の約600塩基対の配列は、インスレーターの条件を満たすことが示された。本研究により、Ars遺伝子インスレーターは、1:方向依存的にエンハンサー機能を遮断すること、2:Arsインスレーターはショウジョウバエにおいても、エンハンサー遮断機能を示し、同様に方向性があることが明らかになった。Ars遺伝子には強力なエンハンサーが存在し、単一コピーであるにも関わらず、Ars-mRNAは全mRNAの約0.5%にも達する。Ars遺伝子上流のインスレーターは、Ars遺伝子の影響を隣接する他の遺伝子に及ぼさなくする働きがあると予想される。外来遺伝子を染色体DNAに挿入すると、挿入位置依存的に発現が抑制されるが、3:ヒト培養HeLa細胞を用い、インスレーターで挟んだネオマイシン耐性遺伝子と挟まなかったネオマイシン耐性遺伝子を染色体DNAに導入し、安定的ネオマイシン耐性獲得効率(コロニー形成率)を指標に、Arsインスレーターの挿入位置依存的発現抑制を遮断する効果を測定しところ、Arsインスレーターを結合した場合にはコロニー形成率が顕著に増加することが示された。この結果は、Arsインスレーターの挿入位置依存的発現抑制に対する抑制効果を示唆している。また、Arsインスレーターには、4:核マトリクス結合活性があり、5:2種類の核タンパク質が結合することが示された。核タンパク質結合サイトの1つはGの連続配列(Gストリング)であり、Gストリングに結合する因子をサウスウェスタン法によりクローニングしたところ、6:GSBPは約270kDタンパク質をコードし、塩基性・酸性アミノ酸を約50%も含む新規のタンパク質であることが示された。
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