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レーザービームによる単一神経細胞の摘出と神経伝達物質微細局在の同定

研究課題

研究課題/領域番号 10878154
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 神経・筋肉生理学
研究機関神戸大学

研究代表者

岡田 安弘  神戸大学, 医学部, 教授 (40073069)

研究期間 (年度) 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードレーザービーム / 単一神経細胞 / 微細組織摘出 / 神経伝達物質 / 酵素活性 / GAD・GABA / アデノシンデアミナーゼ / 微細分布
研究概要

本研究の目的は、顕微鏡内に設置した鋭利なレーザービームを用いて単一細胞レベルの微細組織を摘出し、それに含まれる神経伝達物質やそれに関する諸酵素活性を微量定量し、レーザービームによるこの微細摘出法が脳機能研究に応用できるかどうかを検討することであった。
従来単一細胞レベルの微細組織の摘出にあたっては、凍結乾燥組織から単一細胞レベルの微細部位を微小ナイフを用いて顕微鏡下に手(free hand)で摘出していた。しかしこれには摘出組織の大きさに限界があり、直径80-100μ以下の細胞を摘出するのは不可能であった。本研究にあたっては、レーザービームを用い、顕微鏡下に単一細胞および微細組織を摘出してGABA(γ-アミノ酪酸)、GAD(グルタミン酸脱炭酸酵素)、ADA(アデノシンデアミナーゼ)を測定した。まず、レーザービームで組織を摘出するにあたってレーザーで摘出した微細部位周辺が、微細ではあるがレーザービームで破壊される可能性があるので、GABA,GADそしてADAが高濃度、高活性に均一に分布する上丘浅灰白質層について約200μm平方の部位をレーザー光線で10×10μm,30×30μm40〜50μmの連続する四角形に切り、それらの組織に含まれるGABA,GAD,ADAを酵素循環法を用いて微量定量した。その結果GABAは40〜45mmd/kg/day,GADは200〜240mmd/kgdry/60min,ADAは300〜350mmd/kgdry/60minであり、手で摘出した大きな部位の値と一致し、レーザービームによる直径10μ〜50μの単一細胞レベルの微細組織の神経伝達物質の定量が可能であることが明らかとなった。この方法を用いて脳内の様々な神経核(大脳、小脳層機能、上丘層構造、ダイテルス核の小部位)や単一細胞(ダイテルス細胞、ブルキンエ細胞、脊髄運動細胞、大脳皮質錐体細胞、海馬錐体細胞)におけるGAD,GABA,ADAの分布を明らかにした。本研究によってレーザービームによって単一細胞レベルの脳組織の摘出が可能となり、様々な条件下でのその組織に含まれる伝達物質や脳内活性物質の定量をすることにより神経機能の解明に重要な貢献をすることになる。

報告書

(1件)
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Yamada: "The effects of simulated ischemia on the levels of adenosine and its metabolites in slices of cerebellum,superior colliculus and hippocampus in the guinea pig-" Brain Research. 787. 220-225 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] T.Kobayashi: "The levels of adenosine and its metabolites in the guinea pig and rat brain during complete ischemia-in vivo study" Brain Research. 787. 211-219 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 岡田安弘: "アデノシンデアミナーゼの各臓器分布と脳内分布" 第76回日本生理学会大会予稿集. 102 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

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公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

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