研究概要 |
この研究においてイメージファイバー型センサー開発のための基礎研究を行った。センサー用のイメージファイバーとしては,極細径内視鏡に使用されるイメージファイバーを使用した。この種類には,石英ファイバータイプとプラスチックファイバータイプがある。実際に石英ファイバータイプ(2種類)とプラスチックファイバータイプ(1種類)を比較検討した結果,1画素の大きさが4μと小さいことから,冠動脈用の血管内視鏡に使用される石英ファイバータイプのイメージファイバーが適していると考えられた。このイメージファイバーは,直径0.5mmの太さで6000画素の光ファイバーを一体線引きしたものである。このイメージファイバーの一断端を光学顕微鏡に接続し、反対側断端をプレパラート上の血液や生体組織に接触し観察した。その結果,イメージファイバーの先端を接触させて対象物が観察できることが確認できた。 次にこのシステムを用いて透過光による赤血球数の計測を行った。その結果血液に接触させ透過光を当てることにより、ファイバーの2ないしは3画素で赤血球1つが検出可能であった。さらにこの検出した赤血球数をカウントし、実際に計測した赤血球数と比較したところ、ファイバーを用いて誤差1万〜5万/μLで赤血球数の計測が可能であることがわかった。しかしながら白血球数の計測や血球運動の解析については入射光波長の関係で出来なかった。 以上よりイメージファイバーを用いて血球の観察が可能であることがわかったが、血管内に1本のファイバーを挿入して計測を行うためには反射光を用いた計側システムの開発が必要である。
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