研究分担者 |
吉倉 紳一 高知大学, 理学部, 教授 (10093957)
田納圧 良昭 神戸大学, 発達科学部, 教授 (90030585)
有馬 真 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (10184293)
広井 美邦 千葉大学, 理学部, 教授 (40019427)
渡辺 暉夫 北海道大学, 理学研究科, 教授 (40135900)
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研究概要 |
国内で研究会やテーマ委員会を3回実施し、国際シンポジウムのテーマ等について研究発表、討議を行った。また、国外の国際シンポジウム開催に協力したほか、国際シンポジウム等に研究分担者、協力者らを派遣し、関連分野の研究動向や、国外研究者らの意見を収集した。ゴンドワナにおける原生代事件に関連した最近の研究動向につい以下にその重要な諸点をまとめる。 1. 1990年代から認められ始めた超大陸ロディニアは、最近は学界でほぼ完全に定着したが、その先カンブリア代の再構成については、かなり重要なところで次々と修正が加えられつつある。また、南極と北米大陸の接合というロディニア再構成の中核像についても、その存在期間について10-7億年前という一般的理解(例えばPowellら,1993,Geology,21)に対して重大な異議がだされている(例えばVeeversら,1997,J.Geol.,105)。 2. ロディニア分裂に引き続くゴンドワナ形成事件は、従来の理解では、既存の東ゴンドワナに対して西ゴンドワナの各陸片がパンアフリカ期に集合したとするものであったが、この8-4億年前のパンアフリカ事件が、じつは、東ゴンドワナの基本的な集合事件も含むのではないかという考えが南極研究者を中心として強く出されてきた(例えばHensen & Zhou,1997,The Antarctic Region)。 3. 以上の問題点の解決に関しては、日本グループが研究を続けてきている東南極と、その対岸にあたる東ガート帯を含むインド中央構造帯や、南西オーストラリアの原生代変動帯の研究が鍵を握っていると考えられる。 以上の研究成果は、研究動向のレビューなどの学術論文等16編、英文論文集や学術誌、研究連絡誌などの編著書11冊、国際シンポジウムの講演3題と、参加報告など7編として公表された。
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