研究課題/領域番号 |
10896004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
柏村 直樹 三重大学, 生物資源学部, 教授 (20026412)
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研究分担者 |
稲垣 穣 三重大学, 生物資源学部, 助手 (20242935)
梅川 逸人 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90185059)
西川 司朗 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50024592)
久松 真 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30107099)
田口 寛 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60024593)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 脂溶性糖質 / 生理活性 / 動物細胞 / 植物細胞 / 抗がん転位 / 抗接着 / 抗炎症 / 糖鎖工学 |
研究概要 |
当初の計画にスペースコラボラトリーシステム(三重大)の利用があったが、本年度内の有効利用が不可能となったため、全国で公開セミナーを開く方針に変更した。以下に調査研究活動の概略を示す。 (1) 役割分担は、糖質の分野を1単糖・配糖体、2オリゴ糖、3多糖、4糖脂質、5環状糖質、6糖タンパク質、7レクチン、8ヌクレオシド・ヌクレオチド、9合成複合糖質、10調製・合成・分析の10分野に分け、1は柏村、北川、2は久松、3は東、畑中、4は稲垣、5は北村、6は柏村、田口、7は梅川、8は柏村、9は畑中、伊藤、常盤、谷本、石田、10は伊藤、西川、谷本とした。調査はまづ、最近10年間の生理活性の研究を文献調査した。 (2) つぎに、「糖鎖の新規な生理活性」という連続公開セミナー(全国各地で6回)の開催を企画し、61人の講師、全回の各講師の座長を全国の主な糖質科学者のアンケートと公募から選出した。セミナーは、1人6ページ(平均各回80ページ程度)のものを参加者に無料で配り、講演、討論、さらに聴衆から講師、座長への質問用紙を配り、後ほど報告書に掲載することにした。参加者は各回30名前後であり、班員は平均3-4人は出席し、講演・座長を勤めた。 (3) 東、北川は、国際学術集会での資料収集に勤め、東はサンジエゴ国際糖質シンポジム、北川はバンクーバーのグリコ化合物会議に出席して、資料を集め、その成果はゼミナーで報告した。 (4) セミナーによる調査結果:分野1は、6回とも新規で異なった成果を収集、討論することが出来た。未開発な課題もあり、今後の学術課題申請の腹案が出来た。分野2は、5と較べ、少し資料収集不十分であり、2次情報誌からのデーター収集と各オリゴ糖での実際的応用の現況分析の必要を感じた。分野3は、日本で研究が盛んな領域であり、分野9におされがちとはいえ、今後まだ未開発な生理活性や構造活性相関研究が期待される。分野4は異なった課題に関してバランスのある資料が集まった。分野5は、依然としてシクロデキストリンの研究が多いが、超分子の考えが出始めており、研究者の増加が期待される。この分野では、外国人による資料提供講演が有益であった。6、7は世界的にこの10年間の発展が大きいところであり、新規な活性や研究者の手段、コンセプトにユニークなものがあり、つぎの企画に示唆を与えた。分野8は制がん研究に有益な資料が得られ、今後の糖質有機化学の方向を示していた。分野9は日本で最も大きな発展を示しており、基礎データーをさらに集めることが肝要と思われたが、特にに応用と技術、サンプルの交換が必要と思われた。最後の10は、本邦独自の相互作用解析法の著しい進歩が紹介された。 (5) 以上の調査、討論、交流の成果は今後、1)基盤研究におけるユニークな課題の申請(来年度)、2)糖質の分野別、活性別データーベースの構築の準備終了、および、若手、新しいコンセプトの交流(新規セミナー)の可能性とアプローチを示した、ということができる。
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