研究課題/領域番号 |
10896007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 教授 (70038313)
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研究分担者 |
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00096885)
中嶋 康博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
四方 康行 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20178859)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 狂牛病 / 食品の安全性 / レンタリング / HACCP / 品質保証プログラム / 動物福祉 / 遺伝子組み換え食品 / トレーサビリティ |
研究概要 |
世界の農業と食品産業は、現在、食品の安全性確保と品質保証システムの改善が課題となっている。このような背景のもと、本研究では、世界の農業と食品産業が、今、「農業のコスト競争から食品の安全性競争の時代」に転換しつつあることを確認し、次のような研究実績が得られた。 (1)狂牛病の影響を受けている欧州レンダリング産業の安全性確保、(2)EUにおける牛肉の品質管理・品質保証プログラム、(3)オランダの施設野菜における農薬規制システム、(4)イギリス養豚の新飼養システムと動物福祉、(5)EUにおける遺伝子組み換え食品の安全性と表示問題、(6)デンマークにおける家畜ふん尿処理システム、(7)我が国の食肉処理施設における衛生改善と再編整備、及びHACCP導入の実態と課題、等である。 主な内容は次の通りである。(1)狂牛病などの影響から、EU諸国の食肉産業は消費者の信頼をとりもどすために、家畜の生産からと畜解体、加工、小売段階までのサプライチェーンの連携を強化し、一貫した品質管理とトレーサビリティを確保することによって、食肉の品質保証を行うという対応戦略を講じつつある。(2)ヨーロッパでは、家畜生体の約40%が動物副産物となり、それがレンダリング産業によって加熱・脱脂・粉砕・製品分析等の過程を経、製品化され、工業用原料・農業用・飼料用として供給される。その際、製品の安全性を確保するため、加工工程の衛生管理システムとしてHACCPを採用するなどの対策に努めている。(3)オランダの施設野菜の栽培は「総合的害虫管理システム」により、環境保全型施設栽培システムの制度的な対応を行っている。(4)我が国における食肉が輸入食肉に対抗していくためには、食肉処理コスト削減のための食肉処理施設の早急な整備統合が必要であり、安全性、製造管理等の面でトータルな優位性を確保しなければならない。
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