研究概要 |
この研究は西暦2001年に日本で開催する国際口臭学会において, 「自臭症(心囚性口臭)患者治療に不可欠な心療・精神医学的クライテリアを国際スタンダーダイズする」ためのワークショップを企画することを目的としている。 本研究計画を遂行するにあたって,口臭症,特に真性口臭症と心因性口臭症の境界を定義しないと実態の把握は不可能と考え,実際に治療に携わっている国内の口腔外科,歯周病科,予防歯科,精神科,耳鼻咽喉科の専門家からレビューを受けた。次に,主だった研究者(病理学を含む),臨床家とともに会議を持ち,以下のような口臭症分類を策定した。これは,3月に開催された国際口臭学会の理事会において,研究レヴューを受けた。 I. 真性口臭症ム社会的容認限度を超える明らかな口臭が認められるもの a. 生理的口臭・・・器質的変化,原因疾患がないもの(ニンニク摂取など一過性のものは除く) b. 病的口臭 1. 口腔由来の病的口臭・・・口腔内の原疾患,器質的変化,機能低下などによる口臭 (病的状態,例えば歯周病,口腔乾燥症などに起因する舌苔などを含む) 2. 全身由来の病的口臭・・・耳鼻咽喉系疾患,呼吸器系,上部消化器系,代謝異常(糖尿病・肝硬変・尿毒症・内臓出血など肺胞から呼気を通して)に起因する口臭 II. 仮性口臭症・・・患者は強く口臭を訴えるが,社会的容認限度を超える口臭は認められず,検査結果などの説明(カウンセリング)により訴えの改善が期待できるもの III. 口臭恐怖症・・・真性口臭症,仮性口臭症に対する治療を行っても,肉体的,社会的に問題となる口臭が無いのにもかかわらず訴えの改善が期待できないもの 以上の分類を基に本研究目的の,国際学会ワークショップのプログラムを作成する予定である。
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