研究分担者 |
立本 英機 千葉大学, 工学部, 教授 (90155101)
伊永 隆史 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30124788)
松島 肇 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90107821)
玉浦 裕 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (00108185)
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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研究概要 |
本研究は,環境汚染物質を総合的に把握し管理する新しいシステムを,大学等研究機関で構築することを目的として,現在,各大学で有害廃棄物処理,環境と安全に関わる実務に携わっている教官が調査研究を行なったものである。具体的には,OECD等で提唱され,日本でも法制化が検討されているPRTR(Po11utants Release and Transfer Resister:環境汚染物質排出移動登録)システムの手法を,大学等で扱っている化学薬品およびその廃棄物の挙動に適用し,有害化学物質の適正管理を行なおうとするものである。本年度はまず,各大学で有害化学物質の処理実態の整理と,排出・移動の推定を行った。そして併せてPRTR制度の適用に関して,その可能性と問題点を整理することを行なった。その結果,各大学とも実験等に使用した化学物質のうち,環境汚染の恐れのある物質で,すでに法的規制を受けているものについては,それなりに適正処理が行われているが,未規制物質については,対応が十分でないことが明らかになった。その意味で,数百種類に及ぶと予想されるPRTR対象の化学物質の適正管理には,体制整備の面で少々時間が必要であると思われる。特に大気側への排出動態の把握は,測定体制や検出方法などに問題が多く,これからの重要な課題と思われた。また一方,いくつかの研究機関では,コンピュータを用いて化学物質の使用状況を管理するシステムを導入している先駆的な事例も明らかとなった。
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