研究課題/領域番号 |
10898021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 企画調査 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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研究分担者 |
辰己 仁史 名古屋大学, 医学部, 助手 (20171720)
桐野 豊 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10012668)
木島 博正 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30012397)
吉岡 亨 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70046027)
葛西 道生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40022595)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 脳研究 / 生物物理学 / 細胞シグナリング / イメージング / 再構成 |
研究概要 |
脳の機能を科学的に明らかにすることは人類にとっての大きな夢である。この領域は解剖学的、生理学的、心理学的手法を中心に研究されてきたが、最近は分子生物学的手法が取りいれられ、脳機能の物質的基盤が明らかになりつつある。次の段階はその背後にある物理法則に基づく脳機能の解明であろう。本研究の目的は、この近未来の課題の展開法を調査し、最終的に特定領域研究(B)として申請することにある。そのために、関連する生物物理学と脳科学の第一線の研究者を結集して研究会や小人数の議論を精力的に行った。しかし、生物物理学分野ではこうした研究の蓄積や研究者数が少なく、現状では明瞭なコンセプトを提出することも困難で、特定領域研究申請の機は熟していないとの結論になった。一方細胞は分子ネットワークからなる情報処理機械であり、脳に優とも劣らない複雑な機能を持っている。また、並列性、自己組織性、可塑性、学習・記憶機能など脳と共通する多くの側面を有している。さらに、(1)細胞の機能を担う主要な分子の実態が明らかにされ、(2)遺伝子工学でそれらの分子と構造と機能を自由に改変でき、さらに、(3)特定の分子を蛍光標識して生きている細胞での情報処理過程を見ながら解析することも夢ではなくなってきた。また、(4)コンビュータパワーの爆発的増大によって、細胞内の複雑な分子ネットワークの動態をシミュレートすることも可能となってきた。こうした実験とモデルの組み合わせによって、細胞情報処理の生物物理学を構築することは現実的、かつ生産的であり、脳の生物物理学を構築するためにも不可欠の基礎になるとの結論に達した。その結果、曽我部班長を代表として"細胞シグナリングのライブ解析と機能再構成に関する研究"と題する特定領域研究B申請書(平成11年度)を提出した。脳の生物物理学はこの研究の発展形態と位置づけ、引き続き最重要課題の一つとして検討することとした。
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