研究課題/領域番号 |
10F00124
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南野 哲男 (2011) 大阪大学, 医学系研究科, 講師
高島 成二 (2010) 大阪大学, 医学系研究科, 独立准教授
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研究分担者 |
FU HaiYing 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
FU Hai Ying 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / doxorubicin / 心毒性 / 小胞体シャペロン / ケミカルシャペロン / XBP1 / ケミカルシャベロン |
研究概要 |
抗がん剤であるDoxorubicin(Dox)は心筋症を引き起こすため、臨床応用が制限されている。現在まで、Doxの心筋毒性を防ぐため、いろんな方法が検証されてきたが、いずれの方法でも心筋毒性の予防効果が部分的であり、Doxの心筋毒性に関して、未知の因子が存在していることは示唆された。そこでわれわれは小胞体ストレスという新しい観点から、Dox心筋毒性の予防法について、検討してきた。前年度心筋培養細胞を用いた研究では、Doxによる心筋毒性に小胞体ストレスが関与したことや、小胞体シャペロンの補充がDoxの心毒性を軽減できることが確認された。そして、本年度われわれは実験動物(マウス)を用いて、培養心筋細胞から得られた結果を検証し、小胞体シャペロンがDoxによる心筋毒性に対する影響を検討した。その結果、Doxが投与されたマウス心臓において、心筋細胞小胞体の拡張を電子顕微鏡によって確認され、Doxが心筋細胞において、小胞体ストレスを誘導することが明らかとなった。また、培養心筋細胞実験と同様に、ケミカルシャペロンである4-PBAはDoxにより惹起された小胞体由来アポトーシスシグナルCaspase-12の活性化を抑制し、心筋細胞死を軽減した。また、Dox投与によって低下した心筋能も4-PBAの投与によって回復したので、ケミカルシャペロンである4-PBAがDoxの心筋毒性から心筋細胞を保護できることが証明された。したがって、ケミカルシャペロンである4-PBAがDoxによる心筋症の治療に期待できる。
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