研究概要 |
高精細衛星画像データ(LANDSATやALOS)を用いて大都市圏および周辺地域における都市化度を時系列的に空間可視化し,その汎用的手法を確立した.さらに,大都市圏の拡大に伴う都市化地域の人口増を定量化し,その空間的メカニズムを探った.人口分布の空間的分散度は,Global Moran's I and Geary's Cなどの測度を用いて測定した.これらの指標は都市構造パターンの把握にきわめて有効であることが確かめられた.都市の緑度(グリーンネス)は,リモセン・データのNDVIから導出した.この尺度の活用は,植生が豊かな東南アジアの都市群では有効である.また,つくば市を事例にグリーンネスを把握する手法を開発するとともに,WebGISを構築し,公開した.2012年度はとくにこれまでの分析結果をまとめ,都市域確定に関する学会発表を行うとともに,リモートセンシング技術を活用した都市発展プロセスの把握方法について論文を執筆した.さらに,アムステルダムで開催されたWorld Geospatial Forum 2012において,都市地域における緑地環境,歩行環境(Walkability)を評価する手法の有効性について研究発表を行った(ルウイン担当).この発表で,我々はGeospatial World Excellence Awardを受賞した.WebGISを用いてその結果をリアルタイムで把握可能にし,一般市民が手軽に利用できるようにしたシステムを構築した点が評価された.また村山は,ドイツで開催されたIGCケルン大会において(8月25日から31日),構築したWebGISを地理学者に紹介し,好評を博した.
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