研究課題/領域番号 |
10F00337
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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研究分担者 |
GE Zhishen 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 生体材料 / ナノバイオ / 核酸医薬 / ドラッグデリバリー |
研究概要 |
申請者は、ブロック共重合体を基盤とするナノスケールの分子集合体をDDSへ展開する研究を中心に行っており、いくつかの制がん剤ナノミセルは臨床治験まで進み、世界をリードするレベルに到達している。しかしながら、遺伝子、核酸、タンパク質や水溶性の薬剤についての送達法に関しては、まだまだ技術的に未成熟であり、多分に開発の余地が残されている。そこで本研究では、幅広く、かつレベルの高いブロック共重合体合成技術・ナノ構造体製造技術を有するGe氏を中心として、これまで浮き彫りにされてきた高分子ミセル型ナノキャリアの弱点を克服する新規ドラッグキャリア開発に取り組む。具体的には生体適合性と生分解性を持ち、遺伝子ならびに核酸医薬を安定に内包、送達し、治療するナノキャリアの開発を行っている。H22年度までに基本となるポリアミノ酸をベースとする自己分解性のポリカチオンを基に、生理的条件で分解しうる機能性ポリカチオンと生体適合性中性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)、さらにキャリアの会合力を高めるべくブロックカチオマー末端に疎水基を導入した高分子の合成に成功し、これらをベースとした高分子ミセル型ナノキャリアのキャラクタリゼーションを進め、基本指針を確立した。 H23年度は種々PEG分子量の異なるブロックカチオマーを用意し、調製した高分子ミセル型ナノキャリアの機能評価をin vitroでの評価を進めるとともに、標的選択的送達を可能とする標的指向性分子(リガンド)を装着するため、ブロックカチオマーのアルファ末端へのリガンド導入法を検討し、その合成条件を確立した。一連のブロックカチオマーを用い、治療用遺伝子を組み込んだpDNAとの複合体におけるキャリアの会合力、生体内でのステルス性、細胞特異的取り込みといった観点で疎水基の効果、PEG鎖長の効果、リガンドの効果を検討し、最適な分子組成を絞り込んだ。これを受け、in vivoへ展開し、全身投与での治療実験を行った。その結果、これまでに得られた治療効果を上回る優れたナノキャリアであることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでに、生体適合性中性高分子-自己分解性のポリカチオンからなるブロックカチオマーに生体由来疎水基、さらにペプチドリガンドを装着した生体適合性と生分解性をともに具備するポリマーの開発を行い、高い遺伝子発現効率と安全性の高い超機能化ナノキャリアを創出するに至った。本ナノキャリアは血中における高い安定性とin vivoでの高い遺伝子発現の両立を確認するに至っており、当初計画以上に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに体内の標的部位に送達するためのリガンドをナノキャリア表層に装着し、優れた制ガン活性を得ることに成功している。今後はナノキャリアの体内動態評価、遺伝子発現細胞の同定といった詳細を評価し、ナノキャリアのキャラクタリゼーションとの相関を詰めることで、最適なリガンド-PEG-ポリカチオン-疎水基の分子設計を完成させ、全身投与用送達システムを確立する。さらにこれまでは特に遺伝子に注力し開発を進めてきたが、siRNAといった核酸医薬への展開を検討する。
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