研究課題/領域番号 |
10F00429
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2012) 早稲田大学 (2010-2011) |
研究代表者 |
南沢 享 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授
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研究分担者 |
JIAO Qibin 東京慈恵会医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
JIAO Qinbin 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | カルシウム / 心筋 / 筋小胞体 / 心不全 / 遺伝子改変マウス / ストレス / 電気生理学 / Creリコンビナーゼ / 心筋筋小胞体 / カルシウム調節 / 心機能低下 / 生理的ストレス / 加齢 |
研究概要 |
心筋の収縮弛緩時における細胞内Ca^<2+>濃度の変化は、主に筋小胞体でのCa^<2+>の出入りによって制御されている。従って心筋筋小胞体による細胞内カルシウム調節系は心筋の収縮弛緩にとって極めて重要である。その制御に主役を演じる分子は、筋小胞体からCa^<2+>を放出する心筋ライアノジン(ryanodine)受容体と、筋小胞体へCa^<2+>を取り入れる心筋筋小胞体膜Ca^<2+>ポンプ(筋小胞体Ca^<2+>ATPase)である。さらに筋小胞体には、ライアノジン受容体や筋小胞体Ca^<2+>ATPaseに相互作用する分子が多く存在し、それぞれの機能を巧妙に調節している。心筋筋小胞体の機能低下や異常は、心筋収縮・拡張不全の進展や不整脈の誘発を引き起こすと考えられ、心不全や不整脈に対する本質的な治療法の開発を考えるとき、心筋筋小胞体蛋白は新たな標的として非常に重要である。本研究では筋小胞体Ca2+ATPaseの機能を調節する新たな分子として、phospholambanと相同性が高く、心房筋に特異的に発現しているsarcolipinに注目し、筋小胞体Ca^<2+>ATPase活性に及ぼす影響や生体内での心機能に及ぼす影響を調べることを目的とした。 1)Creリコンビナーゼknockin-sarcolipin knockoutマウスの心機能測定 野生型マウスとヘテロ型ノックアウトマウスの個体での心機能の差違を、心エコー法や心臓内圧測定法によって調べた結果、有意な差を認めなかった。 2)Creリコンビナーゼknockin-sarcolipin knockoutマウスの心房筋機能 野生型マウスとノックアウトマウス(ヘテロ型、ホモ型)との心臓を摘出し、ランゲンドルフ灌流装置に装着した心臓において、心房刺激を与え、催不整脈性を検討した結果、野生型マウスとノックアウトマウスには不整脈性誘発性に差を認めなかった。 以上から、Creリコンビナーゼknockin-sarcolipin knockoutマウス、特にヘテロ型は心機能において、野生型との差を認めなかった。本研究結果からは心房筋でのsarcolipinの発現低下は心機能に影響を殆ど及ぼさないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した実験はほぼ実行できた。
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今後の研究の推進方策 |
Creリコンビナーゼknockin-sarcolipin knockoutマウスの心房筋におけるカルシウムハンドリングの詳細を分子レベルにおいても検討する。さらに本ヘテロ型マウスを利用して、心房筋特異的な遺伝子発現を行い、心房筋特有の分化過程・機能・病態を調べる。
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