研究課題/領域番号 |
10F00723
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊山 修 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授
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研究分担者 |
DEMONET Laurent 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ポテンシャル付き箙 / 団(クラスター)代数 / 変異 / 圏論化 / 団(クラスター)傾加群 / 三角圏 / 整環 / 三角形分割 / 前射影多元環 / ホップモナド / 同変圏 / 2カラビ・ヤウ三角圏 / 団(クラスター)傾対象 / ポテンシャル付き箙(クイバー) / 2-Calabi-Yau圏 / ねじれ群環 / (半)標準基底 / 団(クラスター)圏 |
研究概要 |
2012年度の特別研究員の主要な研究テーマは、ポテンシャル付き箙(クイバー)の「複数頂点における変異」である。Derksen-Weyman-Zelevinskyは、ポテンシャル付き箙の(一つの頂点における)変異を導入し、団(クラスター)代数の圏論化に応用した。ポテンシャル付き箙の変異は非常に初等的な操作であるが、ある種の2カラビ・ヤウ三角圏における団傾対象の圏論的変異による自己準同型環の変化の記述をも与える。ゆえにポテンシャル付き箙の「一頂点における変異」を一般化した「複数頂点における変異」を定式化することは、団代数や団傾対象全体の持つ組み合わせ論的構造のより良い理解につながる重要な研究テーマである。これに対して特別研究員は「複数頂点における変異」の定式化を与えており、さらに団傾対象の圏論的変異との互換性を、ポテンシャル付き箙がある種の最長緑列を持つ場合に示した。またポテンシャル付き箙が曲面の三角形分割から生じる場合に対しては、組み合わせ論的観点から期待される結果と一致することも確かめた。特別研究員の与えた定式化は、箙の部分に関しては最終的なものであると思われるが、ポテンシャルの部分に関してはさらなる考察が必要であると思われる。研究員は以上の研究成果に関して、ビーレフェルト大学で開かれた「Workshop and International Conferepce on Representations of Algebras(ICRA 2012)」および信州大学で開かれた「45th Symposium on Ring Theory and Representation Theory」での講演において公表を行った。 特別研究員はさらに、曲面の三角形分割に対してLuoが導入した「ポテンシャル付き氷箙」のヤコビ多元環を調べた。特別な場合に、ヤコビ多元環が1変数多項式環上の整環となることを証明した。さらにヤコビ多元環のある特定の部分整環の団(クラスター)傾加群の全体と、三角形分割の全体の間に一対一対応が存在することを証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポテンシャル付き箙の複数頂点における変異は、非常に難解なテーマであるにもかかわらず、特別研究員は着実に成果を挙げているため、研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
ポテンシャル付き箙の複数頂点における変異に関して、引き続き研究を行う予定である。 さらに、曲面の三角形分割から生じるポテンシャル付き箙のヤコビ多元環に関しても、より詳しい研究を行っていく予定である。
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