研究課題/領域番号 |
10F00825
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中野 伸一 京都大学, 生態学研究センター, 教授
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研究分担者 |
WALL A, A 京都大学, 生態学研究センター, 外国人特別研究員
WALL A.A. 京都大学, 生態学研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 有殻アメーバ / 底泥 / 琵琶湖 / 現存量 / 組成 / 優占 / 環境要因 / 有機物 / 古陸水環境 / 生態 / 微生物 / 溶存酸素 / 温度 |
研究概要 |
琵琶湖の有殻アメーバの多様性を明らかにするとともに、有殻アメーバの群集組成や優占種と水質の物理・化学項目、底泥の粒子組成などの環境条件との対応を明らかにする。本研究は、おそらく、一年間に渡る湖沼有殻アメーバの季節動態モニタリングとして、世界で最初の例となる。琵琶湖北湖と南湖の地点において、毎月1回の頻度で底泥を採取した。得られた底泥コアサンプルを0.5から1cm間隔でスライスし、それぞれを別々にアメーバ現存量・組成と底泥粒子の粒度組成を測定した。また、採泥を行った地点の陸水学的情報(水温、pH、溶存酸素、クロロフィル濃度など)も測定した。有殻アメーバの組成、現存量、バイオマスと多様性は、北湖と南湖で大きな違いが見られた。同一湖沼の異なる湖盆でも違いがあるにも関わらず、フランスの湖沼と琵琶湖では、共通に検出される種も存在した。琵琶湖では、20属、67種以上が検出された。琵琶湖の有殻アメーバには、底泥の有機物含量と粒度組成(砂粒子と泥粒子0)割合)も、優占種・属を決める重要な要因であると分かった。また、琵琶湖では、従来の報告に反して、砂地においてもいくつかの限られた種の生存が認められた。これらの結果とフランスでの結果を比較すると、湖沼底泥の有殻アメーバは湖沼の栄養状態に対応した分布パターンを示している。すなわち、本研究の結果は、有殻アメーバが古陸水環境の状態を示すバイオ・インディケーターとして有効であることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同じ理由である。琵琶湖の底泥は夾雑物が多く、アメーバの検鏡作業が難航している。このために、Xylidine Ponceau染色法を併用しているが、夾雑物の影響を排除しきれていない。琵琶湖の底泥サンプルの検鏡・分析が容易ではなかったために、培養実験のサンプルを検鏡・分析する作業に遅れが生じている。研究分担者のWall氏は、外国人特別研究員を終了した後も日本に留まっており、京都大学生態学研究センターの協力研究員として随時当センターを利用して、残ったサンプルの分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者のWall氏は、外国人特別研究員を終了した後も日本に留まっており、京都大学生態学研究センターの協力研究員として随時当センターを利用して、残ったサンプルの分析を行う予定である。また、当該研究の成果を国際学術誌に発表するための論文執筆も、日本において行っている。
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