研究課題
特別研究員奨励費
グラフェン集積化技術の確立を目的として、原子レベルで制御された固体表面に着目し、グラフェンの加工および、グラフェンの成長を行った。また、グラフェン支持基板表面の原子レベルの形状や基板の材質がグラフェンの特性に及ぼす影響について明らかにした。1. グラフェンのナノ微細加工制御これまでに、金属微粒子の触媒作用によるグラフェンの加工制御を行ってきた。サファイア表面の原子配列の効果により金属微粒子の運動を制御し、ある特定の方向のみに加工を制御することにより、グラフェンナノリボンの作製に成功した。微粒子の種類により基板と微粒子の相互作用力が変化するため、加工モードの選択が期待される。銀微粒子を用いることにより、基板と微粒子間の相互作用が小さくなり、グラフェンの加工モードが基板からグラフェン格子由来に変化することを明らかにした。2. 固体表面によるグラフェンの電気特性への影響これまでに、表面化学状態の異なる固体表面によるグラフェンへの影響を明らかしてきた。さらなる評価を行うために、ラマン分光法による評価を行った。ラマン分光法は、その材料のバンド構造を反映したスペクトルを得ることが可能である。具体的には、様々な表面原子配列をもつサファイア表面上にグラフェンを貼り付け、そのグラフェンのラマンスペクトルを解析した。本研究では、基板の表面化学状態によりグラフェンの物性が決定されることを明らかにした。グラフェン/基板界面の制御の重要性について示した。3. 固体表面の効果を用いたグラフェンの成長制御グラフェンの成長を固体表面の原子ステップの効果を用いて制御することにより、グラフェンの集積化を試みた。金属微粒子の触媒作用を用いて、原子レベルで制御した基板表面上においてグラフェンの成長を試みた。金属微粒子が存在する基板表面上において、細線状の構造物の形成に成功した。この構造は、原子スケールの急峻な表面凹凸の効果であると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件)
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