研究課題/領域番号 |
10J00212
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
諫早 直人 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2010年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 考古学 / 馬車文化 / 騎馬文化 / 車馬具 / 馬具 / 製作技術 / 東北アジア |
研究概要 |
本研究は、東北アジア(中国東北部・朝鮮半島・日本列島)における馬車・騎馬文化の拡散と受容に対する考古学的検討を通じて、「騎馬民族説」のような民族移動とは異なる新たな馬車・騎馬文化伝播モデルの構築を目指すものである。 本年度は東北アジアを中心に馬車・騎馬文化関連資料を広く収集しつつ、国内外の車馬具・騎乗用馬具所蔵機関において資料調査をおこなった。海外調査については中国に2度、韓国に1度、それぞれ訪問し、出土馬具など実物資料の実見・実測調査をおこなった。韓国の順天大学校博物館では最近出土した未報告資料を実見し、報告作業に参加することとなるなど、大変大きな成果を上げることができた。また中国山西省大同市博物館での調査では、北魏の金工品が東北アジア諸地域の馬具を含む金工品に対して与えた影響について一定の見通しが立てることができた。国内調査については九州・関西・関東の諸機関で同じく出土馬具など実物資料の実見・実測調査をおこなった。これによって今年度に予定していた調査をすべて完了することができた。 それらの実地における調査成果に加えて、単著(『海を渡った騎馬文化-馬具からみた古代東北アジア』)を出版することができ、本年の調査成果を含めて、筆者がこれまでにおこなってきた研究成果を一書にまとめて出版することができた。これによって、古代東北アジアに広がる騎馬文化の成立と拡散が、当時勃興した東夷諸王権間の利害関係の中で起こったという申請者の私見を、広く世に問うことが可能となったことは、最大の成果といえる。
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