研究課題/領域番号 |
10J00270
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 慎司 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 積系 / C*-環 / 力学系 / 位相的連絡 / クンツ・クリーガー唯一性定理 / C*環 / 擬束順序付き群 / quasi-lattice ordered group / ゲージ作用による固定部分環 |
研究概要 |
本研究の目的はファウラーおよびシムズ・イーンドによって提示された、ヒルベルト双加群の(内部)テンソル積について擬束順序付き束群の構造をもつ積系からつくられるC*-環を力学系との関連をふまえて調べることである。 この研究の背景として、デアコーンによる1次元トーラス上の被覆写像たちを有向グラフで合成方法を決められた位相的連絡たちから作られる積系が代表研究者により提示されたが、この積系を解析したいと考えていた。また、この積系からつくられるC*-環のうち、最も簡単な場合が、数論的対象物から作られるクンツによるC*-環になる。クンツによるこのC*-環およびその拡張は代表研究者の積系の研究とは異なる方向で研究されている。上記の積系を作用素環論的に調べたいが、そのための道具が未開拓だったため、初めに述べた研究が必要になった。 今年度は、前年度行った擬束順序付き群としての非負整数の直和に付随する積系から作られるC*-環のゲージ作用に対する固定部分環(コア)の研究をふまえ、高次元位相的連絡から作られる積系C*-環に対するクンツ・クリーガー型の唯一性定理を証明した。この定理は力学系とC*-環をつなぐ役割として、非常に基本的なものである。 具体例として、数論的対象物からつくられるボスト-コンヌC*-環に対する、以前にラカ-レイバーンなどによって得られていた、この種の定理を含む形になっていて、このことが以前の仮定の範囲では、出来ていなかったことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の擬束順序付き群としての非負整数の直和に付随する積系から作られるコアの研究をふまえ、高次元位相的連絡から作られる積系C*-環に対するクンツ・クリーガー型の唯一性定理を証明するところまで確実に研究が深まり、定理の形までまとめ上げられたから。
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今後の研究の推進方策 |
高次元位相的連絡から作られる積系C*-環に対するクンツ・クリーガー型の唯一性定理が証明できたので、それを利用してその積系C*-環に対して、ゲージ作用に関するKMS状態とK群の構造について、具体的な記述をおこない、それらが元の力学系の情報をどれだけもっているかを解析したい。
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