研究課題
特別研究員奨励費
分枝過程は人口の発展を確率的に表現したモデルであり、現在では物理や数理生物学の分野においても興味の対象となっている。特にランダム環境下における分枝過程は実際に確認できる現象に現れる"ノイズ"を考慮に入れたものであり応用への期待も持たれている。ランダム環境中の分枝過程には様々な種類がある。その定義の仕方は主に生成分布と呼ばれる各粒子が次の世代に生み出す粒子の数の分布の言葉で表現される。また空間の中を各粒子がランダムに動く分枝ランダムウォークに関しては未解決の問題が多々ある。特に空間を占める粒子の分布やその端にいる粒子の挙動を調べる研究を行っている。主に二つのことについて研究した。まずある特殊な条件を満たすランダム環境の下での1次元分枝ランダムウォークにおける粒子の左端粒子の位置M(n)の挙動に関する考察である。そのランダム環境の下ではM(n)は非ランダム環境中の分枝ランダムウォークには現れなかった挙動をし、さらに強い振動が起こることも確認できた。また、ランダム環境中の分枝過程についてその個体数に関する大偏差原理について考察を行った。この問題は粒子が確率1で1体以上の粒子を生み出す場合については解かれていたが死滅する可能性がある場合については解かれていなかった。そこでその問題に取り組み一部解決した。
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Annals of Applied Probability
巻: vol21 No 1 ページ: 351-373
Journal of Theoretical Probability
巻: (掲載確定)