研究課題
特別研究員奨励費
1、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の予後因子に関するMRIを用いた検討大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の診断を得た25例に対し、MRIのT1強調画像で(1)バンドの長さ、(2)バンドの厚み、(3)骨頭荷重部に占めるバンドの長さ、の測定を行い、予後との関連を調査した。骨折線が長く骨頭荷重部に占める割合が高い場合には骨頭圧潰が進行し、予後不良の可能性が有位に高いことを証明した。またこれらのカットオフ値および生存率を算出した。2、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の予後に関する臼蓋形成不全の影響大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の診断を得た26例に対し、単純X線で臼蓋形成不全の指標であるSharp角、Center-edge angle、Acetabular roof angle、Acetabular head indexと予後との関連を調査した。いずれも予後不良群で臼蓋形成不全の傾向が有意にあり、予後を規定する因子である可能性が示唆された。またこれらのカットオフ値および生存率を算出した。3、若年発症の大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折に関する研究大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の診断を得た5例に関する検討を行った。4例は手術、1例は保存的に加療して治癒した。3例で骨量低下(T score-1,0~-2.5)を認め、病理組織所見でも骨梁の菲薄化を認めた。若年者においても骨量低下があり、脆弱性骨折を引き起こす可能性が示唆された。4、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の好発部位大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の好発部位は明らかになっていない。大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の診断を得た40例41股に対し、MRIの画像解析で好発部位を調査した。結果として、骨折線は前方に多く、また骨髄浮腫像も有位に前方に後半に広がっていた。以上から、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折は骨頭の前上方に好発する事が示唆された。
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