研究課題/領域番号 |
10J00630
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金原 秀一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | HTLV-I / ATL / インターフェロン / 自然免疫 / HTLV-i / I型インターフェロン |
研究概要 |
これまでの研究により我々は、in vitro実験系において、HTLV-I感染細胞との共培養により他の細胞のI型インターフェロン(IFN)応答が惹起されることを示した。ここで産生されたIFNは感染細胞自身のHTLV-I発現を抑制し、感染者生体内での可逆的であり、また、非常に低い発現状態と類似していた。このようなIFN応答が感染者生体内においても存在の有無を確認するために、我々はIFN応答を惹起するHTLV-I感染細胞内の責任因子の同定を試みた。現在のところ、ウイルス粒子形成とは無関係ながら、恒常的に発現しているユニークなRNA転写産物を見いだしている。しかしながら、IFN応答との因果関係は不明のままである。この研究とは別に、I型IFNの感染細胞のHTLV-I発現に対する影響を調べた。IFN-αの添加によりHTLV-I発現はmRNAレベル、タンパク質レベルにおいて共に有意な抑制を誘導した。これらの事は、細胞内Taxタンパクの減少に続いて逐次的に起こっていることが示唆された。さらに、IFN添加によって感染細胞は増殖抑制を起こし、ATL治療にも一部使用されているAZT(逆転写阻害剤)によりp53の活性化を介したアポトーシスを引き起こした。これらの研究は、現在多数報告されているATL(成人T細胞白血病)へのIFN治療効果の機序を基礎的に説明し得るものであり、この点から重要な研究であると考えられる。現在論文作成を完了しており、平成25年5月にアクセプトされた。
|