研究課題/領域番号 |
10J00985
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
正田 悠 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ピアノ演奏 / 音楽的コミュニケーション / 音響情報 / 身体動作 / 感情 / 心拍変動 / 構造方程式モデリング / 関数データ分析 / 音響特性 / 時代様式 / 感情的解釈 / 印象評定 / 心拍ゆらぎ / 音楽構造 / 芸術的演奏 |
研究概要 |
音楽のコミュニケーションにおいて、演奏者は、楽譜に記された作曲家の意図を自分なりに解釈し、聴衆に伝達する役割を果たしている。本研究は、演奏者が楽曲に対して解釈した感情が、音響特性(一拍あたりの時間長、強弱)および身体の動きにどのように反映されているのか、また、演奏の音響情報や視覚情報を受け取った聴衆は、そうした感情をどのように受け取るのかを調べた。さらに、演奏者と聴衆が共に会することによって、演奏者の表現や聴衆の印象がいかに変化するのかも調べた。次の3点の成果が得られた。1.演奏者は、聴衆の前では音響特性および身体動作の局所的な変動を抑制あるいは拡張させて演奏を構築する(関数データ分析による)。このことは、聴衆の前では、演奏者が楽曲の特徴をより明確な形で聴衆に伝達するような演奏表現をしている可能性を示しており、音楽演奏の芸術表現について新たな知見を提供したといえる。2.聴衆は、演奏音のみを聴取したときに比べ、コンサート場面では演奏者の解釈した多次元的感情をより強く受け取ることができ、演奏をより「芸術的」、「表情豊か」と評価し、より強く「良かった」、「感動した」と感じ、心拍を安定させる。これは、音楽演奏を映像で視聴することで、聴き手がその演奏をより芸術的で表情豊かであると知覚するという先行研究の結果(Shoda & Adachi,査読後修正中)を再現するとともに、視覚情報の効果が、演奏に対して抱く印象や感情、また心拍変動に対しても同様に認められることを示しており、従来の知見を拡張したものである。3.本研究で得た心理、物理、生理諸指標の相互関係、因果関係について構造方程式モデルを構築し、楽曲の特徴、演奏者の解釈、演奏音の音響特性・演奏者の身体動作、聴衆の印象(感情、芸術性、表情)、主観的良さならびに感動の評価と辿るコミュニケーションが構築されていることが示された。
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