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重力崩壊現象におけるブラックホール生成の数理物理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J00995
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
研究機関京都大学

研究代表者

水野 良祐  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2012年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード一般相対論 / 宇宙検閲官仮説 / ペンローズ不等式 / Penrose不等式
研究概要

ブラックホール天文学に関する膨大な研究は、その多くが、時空には裸の特異点存在しない、という仮定の下で行われている。この仮定は宇宙検閲官仮説と呼ばれ、その重要性にも関わらず、相対論における未解決問題である。
また、ブラックホール近傍の物理を研究する際に基盤となる定理として、唯一性定理が挙げられる。これは、ある状況下ではブラックホール解が唯一に定まるとするもので、中心天体のモデルを強く制限する重要な定理である。
本研究ではこれらの問題に迫る方法としてPenrose不等式の予想に注目した。ある制限化におけるペンローズ不等式はエントロピー最大状態が一意的に定まることを主張しているため、重力理論におけるエントロピー増大則と組み合わせることにより、ペンローズ不等式はその極限であるブラックホールの安定性を示唆していると考えられる。
これに関係して、既に安定性を直接調べるのが困難なブラックリングでの摂動によるエントロピー変化などが調べられている。本研究では、もっと一般的な状況下で、ある種のペンローズ型不等式が成り立つ場合、その極限であるブラックホールの安定性にどれだけ言及できるか調査中である。この方法が確立すれば、ブラックホールの安定性問題、すなわちその様なブラックホールが現実世界で形成され得るか否かという、重大な問題に対する、全く新しいアプローチとなりうる。
また、裸の特異点を回避する方策として、時空の離散化というアプローチも検討している。物理学における発散は、時空が連続的である事から生じているものであるため、時空を自然に離散化する事で、発散を回避出来ると予想される。本研究では特に離散化された時空が高い対称性を持つ事を仮定して、離散化を試みている。一方、球対称な重力崩壊において裸の特異点が生成されるための条件を詳しく調べた。本研究では、Schauderの不動点定理を用いることによって、以前までには示されていなかった、より一般的な状況下で適用可能な測地線方程式の解の存在定理を、関数解析の手法によって示すことに成功した。これを用い5次元球対称ダストにおける裸の特異点生成条件を求めた。この結果に関する論文を精査し、4次元の場合にもこの方法を適用可能であるかを調べた。現在、この手法がどの程度一般的に用いる事が出来るのかを調査している。この新しく示した存在定理は球対称ではないような場合や圧力を考慮した場合にも適用できるかもしれず、それらの場合に裸の特異点の生成条件を判定できる可能性がある。これも現在調査中である。

報告書

(3件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 2010 実績報告書

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公開日: 2010-12-03   更新日: 2024-03-26  

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